事情聴取1
フィー君が落ち着いた頃を見計らって、一度離れてもらう。
取り敢えず、俺は熱で怠いだけで何故か全身打撲の体の痛みが消えてた上半身を起こして座り、地ベタリアン(え? 古い? )になってたフィー君には椅子を持ってきて座るように指示。
そして、事情聴取開始!
まずは、俺が倒れた原因から。
魔力不足だって。
……そーいえば、俺は魔力少ないって言われてたね。
何でシャワー浴びながら倒れたのかはお察しの通り、シャワーに魔石が付いててその魔石がお湯を出すシステムの為。
フィー君の所感だと、俺の魔力量は20あるかどうか位らしい。
あ、この世界、魔力量は数値化出来るそう。凄いよね。ただ正確な数字は教会かギルドか専用のシステムがある所でしか測れないみたい。
魔力量は10を切りそうになると気持ち悪くなったり、貧血っぽくなって、普通は動けなくなるそうな。
……心当たりはある。あの空間魔法付きの財布! お金を出し入れしましたとも。
確かに言われてみれば、会計後位から体調が悪くなったかも。
そして、魔力量が0になると気絶する。
……シャワーの魔石に残りの全魔力が吸われて気絶したと。
気絶した理由が分かって納得していたら、まだ話の続きがあった。
俺が倒れた後、不審に思って浴室に駆けつけてくれたフィー君は倒れていた俺にショックを受けたそうな。
喋っていた時には気がつかなかった全身打撲と擦り傷を見て、その怪我が倒れた原因だと思い、治そうと威力の高いポーションを傷にかけてくれたり、飲ませたりした。
……これが全身の痛みがない理由ね。ポーションって便利。
怪我が治っていく所は確認して目覚めるかと思えば、体も冷たいまま顔色も悪いままで死ぬんじゃないかと思ったらしい。
そこで、救世主! たまたま用があって部屋に来た受付の執事風の男ことローレンスさんがすぐ様俺の状況を確認し、魔力切れと判断、魔力回復ポーションを飲ませてくれて事なきを得たということでした。
魔力切れの症状は結構分かりやすい症状で、この世界ではちょこちょこある事の様だけど、フィー君が分からなかったのは、知識としてはあったけど、自分が魔力切れで倒れた事が無かったから気が動転してた事もあり思い至らなかったらしい。
……そーいえば、魔力量多いって言ってたもんね。ローレンスさん様々です。
そして、おまけ。
この熱症状はローレンスさんが来るまで、全裸で濡れたままだったからでは無いかとのこと。
……凄く納得した。
話を聞き終え、色々な疑問点が解消されてホッと一息。
因みに現在はこちらの世界でいう13時。半日眠ってたらしい。
「ところでフィー君、いつまでその上着着てるの?」
そう、室内なのに上着を着ていて、きっちり手袋までしているのだ。俺には影響が無いと知ってる筈なのに。流石にフードは被っていないけど。
「(ローレンスが)様子を見に来てくれるから」
……なるほど、一般人には恐怖を抱かせちゃうというアレですな。そーいえば気になることがあったので聞いてみる。
「聞きたいんだけど、昨日? 食事しながら俺の前で耐魔制御の服とかアクセサリー外していってたよね?それって周りに影響出ないの? あの食事した場所が特殊とか?」
「何もしなければ、周りに影響がでるが、あの時は耐魔結界を張った。耐魔結界とは本来、外からの魔法攻撃を防ぐ為のものだが、内側からも二重に張ることであの空間の外には魔力が漏れないようにした」
「あー。あのごにょごにょ言ってたやつ?」
「(ごにょごにょ? )……そうだ」
「その耐魔結界って何処でもいつでも発動出来るの?」
「……ほぼ出来る」
……フムフム。そしたら何で普段から耐魔結界張って無いんだろ? 魔力消費激しいとか?
「何で普段から耐魔結界張らないの? 魔力消費激しいとか? 疲れるの? 結界貼りながらだと他の魔法が使えないとか?」
「いや、そこまで魔力消費も激しくないし、疲れない。戦闘時でもなければ、魔法の同時使用も可能だが、あれは部屋のように密閉の空間を作るから、近くに居れば相手も空間に入ってしまって意味がない。」
と、ちゃんと1つ1つの質問に答えてくれる。
……うん? 部屋みたいな“空間”を作る前提で話してる?
素人考えだけど、某有名ハンター漫画の主人公がやってた垂れ流しのオーラをうまく身に纏わせておくってやつ耐魔結界でできないのかな?
「ねぇねぇ、その耐魔結界で空間を作るんじゃなくて、自分をその耐魔結界で囲む事出来ないの?」
「自分を耐魔結界で囲む? 空間を作るのと同じ意味じゃないのか?」
と、怪訝そうに尋ねてくる。
「そうじゃなくて……例えば体の皮膚から1センチ離れた所に耐魔結界を這わすっていうイメージ。皮膚から1センチで有れば人間の場合、離れたパーツなんてないから、まるっと囲える。これも密閉空間だよね?」
ゼロスフィリアは驚いた顔をして暫く固まったまま一言
「……!? 考えたこと無かった……」
と、ボソッと呟いた。
……なんだかまた衝撃を与えてしまったみたい。




