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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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持たざる国と持てる国

 日本は、陸上兵力を温存したまま、海上兵力のみで、アメリカをねじ伏せるというミラクルをやってのけた。

 国力も物資も何もかもが、桁外れに差のある「持てるモノ」と「持たざるモノ」との戦いに決着を着けたのは、厳龍という未来の異物だった。

 日本とアメリカの大規模戦闘も、沖縄海戦を期になくなった。

 1950年2月16日、日本の横浜で、アメリカ全権大使のリュートル・アレイザン(48)を代表としたアメリカ側と、日本国内閣総理大臣である、鈴木友二郎(62)を代表とした日本側によって、降伏文書の調印式が行われ、日本側の勝利が白日の元にさらされる事になったのである。

 日本は、沖田達の知る世界のアメリカからしてみれば、紳士的というものを通り越して、お人好しと言わざるを得ない程の微量な賠償金と、ちょっぴりの資源を奪っただけで、領土を取ったり、占領するような事はしなかった。

 何故そのような事態になってしまったのか、それは、分からないが、恐らく戦後の事を考えて、アメリカに禍根を残すような物を求めては、また戦争のリスクが高くなってしまうと、考えていたのだろう。そう言う配慮が見られる。

 いずれにしても、沖田や厳龍乗員からしてみれば、歯がゆい結果になってしまった、と言わざるを得なかった。

 アメリカとの関係をマイナスから始めるのと、ゼロから始めるのでは、戦後のスタートラインが、全く違うモノになる。決して豊かではない日本にとって、この差はとてつもなく大きなモノであった。

 「持たざる国」であった日本が、勝利を収められたのは、既に軍関係者には共通認識があった。

 厳龍という名の知れない謎の新兵器と乗員に、よって勝利がもたらされた事を。そして、アメリカ側は厳龍(ドルフィン)により、アイツが俺達を敗北に追いやったのだと。

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