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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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傭兵の責務

 厳龍(そうりゅう型)は、このスターリングエンジン4基と、通常のディーゼル機関2基を装備しており、二つの機関を組み合わせて航行している。

 これにより、飛躍的に上昇したのが水中持続力であり、1~2週間は潜りっばなしでいる事が可能となった。

 もちろん、アメリカ軍が、そこまで詳しく厳龍(ドルフィン)について詳しく知る事など、不可能であったが、それでも、少ないながらこの厳龍(ドルフィン)について、特徴を掴む事には成功していた。

 まだ、対潜水艦作戦能力の技術が確立されていない中で、いくらあのアメリカ軍と言えども、早急に厳龍(ドルフィン)を倒す為の兵器を開発するのは、困難な事だった。

 さて、厳龍は作戦終了後、丸二日をかけて、呉基地に戻って来ていた。

 厳龍乗員には、のんびりしている時間があったかもしれないが、艦長である沖田にはその時間はなかった。

 戦果報告と何やら話したい事があると、上田少将に言われ、呉基地内のZ会議室に来るよう言われていた。

 「失礼します。」

 「おお、君か!」

 「ご苦労だったと言いたい所だが、悪いニュースを伝えねばならない。君は良いニュースを持っているかもしれないが。どっちを先にする?」

 「悪いニュースから始末しましょう。」

 「うむ。実はな、我が方が大勝利を治めたのは君も知っての通りだと思う。だが、その海戦の最中浮上した所を敵部隊に発見され、厳龍の写真が取られて、その他様々な情報が行ったらしい。」

 「それは由々しき事態ですね?」

 「沖田大佐、他人事の様に言わないでくれ。」

 「きっと4日ぶりに海上に出た時だ。その時以外浮上していない。」

 「もし、そんな事で、厳龍を倒せる兵器を開発されたらどうする?」

 「そんなものが出来たら、厳龍は海の藻屑ですね。」

 「それだけで済むなら自業自得だが、これは日本海軍の危機だよ。」

 「私達は、日本海軍に雇われている傭兵です。」

 「まぁ、正確にはそうなるわな。だが、勝手な事はするな。」

 「はい。」

 そう言うと、沖田は厳龍に戻って行った。今は時代の漂流者である、自分達が行く所を無くせば、どうなるか?自分一人なら勝手な行動も許されるだろう。しかし、沖田には64人の部下がいる。だから、沖田は我慢するしかなかった。

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