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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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AIP(非大気依存推進装置)

 ウォルト・シャルガーの乗員の手によって集められた厳龍(ドルフィン)らしき潜水艦の情報は、国防総省やアメリカ軍最高幹部の、ダグラスマッカーサーや、アーネスト・キング海軍部長にも共有された。

 アメリカ海軍の研究班は、直ちに情報を解析し、厳龍(ドルフィン)の秘密を暴き倒す為には、どうすれば良いか策を考えていた。

 ディーゼル潜水艦が、当たり前の時代(1949.6月)において、明らかに見たことのない形のエンジンで動いているのは、察しがつく。

 なぜ、察しがついたのか。それは、潜航時間の長さを測ったデータベースを持っていたからであり、ドルフィンが長時間潜っていられる潜水艦だということは、アメリカの知識人の間では、常識だった。ただ、これまで中々、その姿を捕らえられずにいた為、データの裏付けが出来なかった。

 ちなみに厳龍(ドルフィン)のAIP動力、つまり、厳龍の心臓の解説をしておくと、基本的に作戦行動中の潜水艦は常に潜航しており、充電のために、海上に突き出したシュノーケルから、空気を取り入れて、ディーゼル機関を動かし、それで得た電気を充電すると共に、モーターに送ってスクリューを回している。

 しかし、敵と遭遇する恐れの高い、敵勢力圏内では、シュノーケル航走をする訳にはいかないので、蓄電しておいた電池の電気を使う事になる。だが、高速航走をしようものなら、電池はたちまち消耗してしまう。

 そこで開発されたのが、AIP(非大気依存推進装置)である。液体酸素タンクから、供給される酸素とジェット燃料にも使われているケロシンを、燃焼させて発生させた800度の熱を、熱交換器でヘリウムガスに伝えて加温する。そのヘリウムガスの膨張力とヘリウムガスを海水に冷却する時に生じる圧縮力を利用して、ピストンを動かして発電するという仕組みである。

 シュノーケルを海上に出して空気を取り入れる必要はなくなる。深く潜航したまま、スクリューを回す事が出来るという方式である。

 

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