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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
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挨拶周り

 東京に着いてからはあっという間であった。市ヶ谷の陸軍施設の前を素通りして、とある喫茶店にて大物待っていたとは、沖田もその人物が来るまでは分からなかった。

 その頃、呉に残った64人は皆それぞれに集まり挨拶周りをしていた。呉基地NO,2の向井剛大佐を筆頭に、左官・尉官クラスの人物(士官クラス)に挨拶周りをした。先頭に立って62人をまとめていたのは、倉沢3左改め倉沢少佐、殿は井浦3左改め井浦少佐が務めた。この挨拶周りは、東京にいる沖田の指示だった。

 沖田は、自衛隊での階級を元に帝国海軍様に修正して64人分書いた。この時も沖田は、近田類2左改め中佐ではなく、少佐の二人を責任者にしていた。飯の数がものをいうのは、自衛隊も帝国海軍も同じであった。

 挨拶周りの後、近田中佐は一人で向井大佐の所に向かい、この時代の兵器を見せてもらっていた。勝手な行動は慎む様にと、沖田に固く言われていたが、一目見た時から近田中佐は、向井大佐に自分と同じ匂いがするのを感じた様である。

 近田中佐は、零戦や戦艦大和や空母飛龍などの、教科書でしか見たことのない兵器を見せてもらって悦に入っていた。と同時に、あと半年もしない内にこの日本海軍の主力兵器が無くなると思うと、少し切なくなる気持ちになった。近田中佐は今後向井大佐と、個人的に親しくなるのであるが、それは上官と部下というよりは、時空を越えて生まれた友情の様なものに近かったのである。

 時期悪く、戦艦大和の沖縄特攻を間近に控えていたのだが、これを守る戦いに厳龍が用いられ様とは、近田中佐も他のクルーも思ってもみなかった。たった6門でも強力な魚雷を持った、未来の兵器はそれ1隻で歴史を変えるだけの力はあった。

 この時代の造りだした物ではなくとも、厳龍はいてはならない存在であるのは確かだった。

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