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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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47式魚雷

 コンコン 「失礼します。」

 沖田不在の厳龍に来客があった。その対応には、厳龍No.2の近田中佐が当たった。

 来客の正体は、兵器開発局の九龍中佐であった。

 「これはこれは、九龍中佐。どうなされましたか?」

 「沖田艦長はおられないのですか?」

 「今は野暮用でいません。私じゃ不足ですか?」

 「では、言伝てを頼みます。新たなる兵器を開発しました。試験発射にも成功しています。」

 「それは、まさか魚雷何ですか?」

 「詳しい事は、電話で艦長に直接話します。では失礼します。」

 「神林君、外まで送って差し上げなさい。」

 「はい。」

 「なぁんか、感じ悪いんだよな。あの中佐。」

 そう聞こえない様に呟いた近田中佐を残して、九龍中佐は戻って行った。

 その一時間後、沖田が戻って来ると、近田中佐は真っ先に、その事を伝えた。

 「九龍中佐が来たのか?珍しいな、あの人が来るなんて。大体いつもは、川井倉って言う影の薄い少尉が来るんだが。よほど重要な事だったんだな。ありがとう、近田中佐。」

 そう言うと、沖田はマル秘扱いの電話ボックスに入り、兵器開発局に連絡をした。

 その後の結果は、九龍中佐の応対をした、近田中佐にも伝えられた。

 新兵器開発とは言っても、89式魚雷やハープーン級USM対艦ミサイルの、足元にも及ばない もので、特別驚くような事でもなかったが、43式酸素魚雷を改良した47式魚雷の開発・実用化に成功したという事だった。

 模造は得意な兵器開発局でも、オリジナリティのある、何かを作るのは不得意だった。

 しかし、この47式魚雷の威力が、厳龍乗員の想像を上回る兵器になっていようとは、まだ実際に使っていない彼等にとっては、分かるはずもなかった。

 実は47式魚雷は、ホーミング(追尾)能力を持った、当時の日本海軍にとっては、画期的なものであった。

 最も、ホーミングとは言っても、磁気のある方向へ飛んでいくという程度のもので、現代のミサイルのような精度はなかった。

 だが、その能力は確実に、日本海軍の戦力になるもので、あった。

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