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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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厳龍のコピー潜水艦

 沖田は、上田少将の所で込み入った話をしている様であった。

 「君の一存で、国家を左右に行かせる訳にはいかんのだよ。」

 上田少将は、いつになく声をあらげていた。

 「何度頼まれても、答えはNOです。」

 話は平行線を辿っていた。事の発端は米内海軍大臣の一声であった。

 「そうだ。もう1隻厳龍のスペックを持つ艦を作ろう!」

 その一言は、直ぐに上田少将から沖田の元に伝わった。だが、沖田の見解は一貫していた。

 異質な存在であるはずの厳龍に、コピー艦を作る。しかもスペックは同等ときたもんだ。それは歴史に大きなひびを入れるも同じ。断固反対であった。

 だが、コピー艦の存在は、厳龍の負担を大きく軽減させることは間違いない。

 厳龍の設計図は、沖田が鍵を持つ金庫に入っており、大本営の米内海軍大臣でも、厳龍への直接の指揮権は無いため、沖田本人の同意が必要だった。

 「君はなんと意思の固い人物なのだろう。サブマリナーズは、その任務の性質上口が固くなるとは聞いていたが、そういう者よりもはるかに固いよ。君の意思は。」

 「厳龍1隻で充分です。それでもあれだけの戦果をあげるのですから。日本海軍の厳龍への評価は、その程度のものですか?」

 まさに沖田の言う通りであった。大本営の厳龍への評価は、その程度であった。そして、沖田はこう締めくくった。

 「私達は、日本が危ないから、日本国民が危機に貧しているから、戦ったのです。決して私利私欲の為に、戦ったのではありません。厳龍のコピー潜水艦を作れば、またアメリカと戦争になりますよ。戦争の惨禍を繰り返すのが目的ならば、私は設計図を渡すのを、断固拒否します。私達はあくまで日本国民の為に命をかけています。それが、未来から来たものである、自分達に出来る事です。失礼します。」

 上田少将は、米内海軍大臣にその旨を電話で伝えた。

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