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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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近田中佐の復帰

 外にいたのは、敵ではなかった。大日本帝国海軍少将上田弘行呉基地司令と、もう一人は見慣れた近田中佐であった。

 現在のローテーションで、一番階級が高いのは山野少佐であった為、山野少佐は、鈴村軍曹と福下上等兵を厳龍に残して、二人を迎えに行く事にした。

 「山野少佐、おい山野少佐。」

 近田中佐は、幼い子供の様に山野少佐の元へやって来た。

 「山野少佐が、当直士官か。沖田大佐に会うことがあったら、私の所に来るように伝えて欲しい。じゃあ、近田中佐ゆっくりして行きなさい。」

 「はい。」

 何故近田中佐が、戦艦扶桑にいないで、ここにいるのかという質問から、様々な質問を山野少佐に話した。詳しい事は中で、という事で近田中佐の武勇伝を3人は聞く事になった。

 つまらない任務の時間が、近田中佐の話で埋まるのは、3人にとって願ってもみない事であった。普段なら聞きたくもないような話でも、今日はいくらでも聞けた。現に近田中佐の話は、刺激的であった。

 終戦により、沖縄から戻って来て艦を整備する為に、呉基地にいるという事で、あと数日は滞在するという事であった。

 実際に艦爆「彗星」に乗って、アメリカ海軍艦隊と直接戦った事や、実際に戦艦扶桑の艦砲射撃で、アメリカ海軍のグラマンF4Fを落としたというような、武勇伝というよりは、自慢話に近いものがあったが、山野少佐やハズレくじを引いた3人は、この日の任務が終わるまで、近田中佐の話に付き合わされた。

 だが、こんな事をするために、わざわざ厳龍という古巣に来たわけではなかった。

 艦長の沖田大佐に会い、厳龍の副長に復帰する為、であった。

 これは、近田中佐の一存ではなく、呉基地司令の上田少将と、大本営の米内海軍大臣が決めた事である。

 上田少将の山野少佐への言伝ては、近田中佐復帰という内容で、同様の内容であった。

 近田中佐を元に戻すという事は、厳龍が元の力を取り戻すという意味でもあり、中から性能を向上させるという事でもある。

 やはり、大本営は、もう一度アメリカと戦い、今度こそ、完膚なきまでに叩きのめし、勝利したいと思っているのだろう。

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