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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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ハズレくじ

 上陸や外出など、半年ぶり位だった為に、厳龍乗員の多くが、有意義な時間を過ごせた様である。

 上級者にもなると、外出出来る日をあらかじめ上官に確認して、念入りに計画を立てる強者もいる。そんな中でも、厳龍警備の為、士官2名、下士官2名、兵2名と平等に6人ずつ10個のグループに別れて、警備に人員を割くよう命令された。

 山野少佐、鈴村軍曹、福下上等兵の3人は、時間と人数の兼ね合いで、長時間警備につかなくてはならない、というありがたくない貧乏くじを引いた人間達であった。

 3人は、潜水艦内部から、外と中を見張る為、中央制御室にピッタリと張り付くのが、主な任務だった。その中での3人の会話を聞いてみよう。

 「おい、おい。とんだハズレくじじゃないか。こういうのは平等に……。」

 「してくれないと困りますよね!人数的には平等になるはずなんですけど。」

 「その辺りが上手いんですよね。お偉いさん方は。」

 「福下上等兵も言う時は言うんだよね。まぁ、僕もそう思うんだけどね。」

 「今頃、皆はしゃばの空気を吸ってリフレッシュしてるのかな?」

 「あと5時間もこんなタコ部屋にいなきゃいけないなんて、災難ですよ。」

 「まぁ、そうぼやくな。俺達だけじゃないんだ。この仕事は。」

 「それにしても、今夜は夏だと言うのに冷えますね。」

 「秋も近いですからね。ああ、実家の栗ご飯食べたいな。」

 「そういう話をしてれば、勤務のイライラも消えるな。」

 「しかしまた、ドンパチ(戦争)アメリカおっぱじめようなんて、正気の沙汰ですか?」

 「自分もそう思います。厳龍、つまり我々がいなければ……。」

 「ここまで戦えなかったのは、確かだな。だが歴史にタラレバを持ち込んでも、何の解決にもならない。」

 「艦長の口ぐせですよね。そればっかり。」

 「うん?どうやら外にお客さんが現れた様だな。」

 だらけていると思いきや、そこは流石に幹部として、やるべき所はやっていた。外部カメラに映った人影を見逃さなかった、山野少佐がこの日のMVPであった。

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