大日本帝国海軍の指揮下へ
「そんな区分けは帝国海軍には存在しない。」
沖田も、誤魔化しが効かないと思ったのか、上田少将に全てを話す事にした。
「では何か、貴官ら65人の潜水艦乗員は2012年からタイムスリップとやらをしてきたと、申したいのか?しかし、その制服はどういう事だ?2012年にも日本海軍は存在しているのか?」
「これは、脱衣室で少し拝借致しました。必要とあらば御返し致します。」
「きっと今頃その持ち主は、脱衣室で大騒ぎしている事だろう。」
「67年後か。想像も出来ない遠い未来だな。」
「私達の知る歴史では、日本はこれから大変な目にあいます。」
「日本がどうなるかも知りたいが、それよりも未来から集まってきた貴官らの潜水艦の性能か知りたいのう。」
「我々は、どうすればよろしいでしょうか?」
「沖田君、歴史を変えてみたくないか?」
その質問の意味する所が、厳龍を使いアメリカを倒そうとしている事だと、沖田は悟った。それから上田少将に2時間をかけて説明を終えた。
「よし、分かった。65名は呉基地司令である私の指揮下に入ってもらおう。」
「ハッ!」敬礼を終えると足早に隊員達の待つ食道へ行った。
「沖田一佐どうでしたか?」
「倉沢少佐、俺達は大日本帝国海軍の指揮下に入った。これは上田少将の命令だ。皆飯は食わせてもらったと、上田少将からは聞いている。これより寝床に向かう。」
そう言うと、65名の隊員をベットへ案内した。そこからはまた、倉沢少佐と井浦少佐に任せ、ある人物の所へ向かった。
コンコン、「失礼します。沖田大佐ですか?」
沖田は、上田少将より帝国海軍式階級名で呼ぶ様に命令されていた。
「どうぞ。」
そこに待っていたのは、いかつくないスマートそうな男がいた。名を秋山秀夫という。階級は中佐だった。
「あなたが持っていましたか。」事情を説明すると、彼は笑って許してくれた。
「これから御世話になります。」
「こちらこそ。」
なんと人当たりの良い人だろうか。それが沖田の秋山に対する第一印象だった。