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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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ミッション 世界一深い所でお休み下さい

 テニアン島到着まで、残り一時間。時刻は深夜2時45分であった。沖田は、機関科に連絡して、速度を上げさせた。最早、整備という整備も終わっているが、ここで「総員戦闘配置」の号令をかけた。

 現場海域では、到着後二回に分けて攻撃を仕掛ける事にしていた。その作戦が、全隊員に向けて発令された。

 作戦名までつく徹底ぶりで、ミッション「世界一深い所でお休み下さい。」という皮肉ばっちりのものであった。

 まず、ハープーン級USM×3門で、空母を攻撃。態勢を立て直して89式魚雷×3門で残る空母を攻撃し、残り6門は様子を見て攻撃するというものであった。

 その間の様子を、二人の兵士の会話から読み取りたいと思う。水野中佐と島村二等兵のでこぼこコンビである。

 「二回も攻撃出来るなんて、本当かよなぁ?島村二等兵?」

 「自分には、参謀のような雲の上人の考えなどよく分かりません。」

 「うまく言い逃れたな。でも水中の狭い艦で逃げ場はないぞ!」

 「正直申し上げますと、攻撃は一回で終えるべきかと思います。」

 「意見具申とは、大きく出たな島村二等兵。まぁ俺も同じ意見だが…。」

 「軍隊という所は自分がどう思おうと、上官の命令が絶体です。」

 「そうだな。でもその上官も間違う事もある。」

 「自分は、沖田艦長や倉沢少佐を信頼しています。」

 「俺はどうだ?」

 「もちろん、水野中佐も信頼しています。」

 「そうでなければ、命を預ける事など出来ません。」

 「確かにその通りだな。」

 「っ?ここが俺達の配置?」

 魚雷を見ながら二人は笑った。二人の会話から見ても、作戦自体が賛否両論別れるものであることが分かる。まぁどちらが正しいかは、結果が決める。

 何はともあれ、厳龍はいよいよ作戦海域に到着していた。厳龍の恐ろしさを知ろうとも、時既に遅しであった。

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