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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
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大日本帝国海軍少将上田弘之

 上田司令に会いに行こうとしていた、その途中で沖田はあるものを見て驚いてしまう。それはカレンダーである。ただのカレンダーたが、表示されていた年号を見て驚いてしまった。1945年3月15日(昭和20年)。二週間以上潜水して着隊したのは、沖田の手帳によると2012年8月15日(予定)と書かれていた。

 これはどういう事なのか?それは沖田が一番知りたい事であった。65名の部下の中には、タイムスリップしたことを既に知ってしまった隊員もいるだろうが、上田司令に会っている間に、厳龍を二人の男に任せた。

 厳龍水雷長 倉沢恵一三等海佐と、厳龍航海長 井浦好二三等海佐の二人である。防衛大学校の同期の41才の二人は、席次も近く能力も互角であった。この二人以上の階級者は沖田以外6人しかいない。副長がいるのだが、一匹オオカミタイプの男で、とてもではないが65名の命を安心して預けられるような男ではなかった。

 近田類二等海佐が、その人である。厳龍副長でありながら、その潜水艦での抜群の戦闘力を買われての、副長抜擢であった。近田もそんな自分を上手く使ってくれる、沖田艦長に全幅の信頼を寄せていた。そのため何も言わなかった。

 だが、自分達は余所者というより、この時代にいてはいけないという存在である認識が、あるからこそどうやって順応するかが大切だった。その真っ先にやるべき事が、上田司令への挨拶であった。

 そこには(建物内1階のとある一室)堂々と、大日本帝国海軍少将上田弘之と名札に書いてあった。2度ノックして、上田少将が

「入れ。」と言うと

沖田は「失礼します。」

と言って入室した。

 そこには、50才前後の優しそうなおじさんが、詰襟の日本海軍の制服で職務を行っていた。

「貴様、どこの所属だ?」

イメージとは全然違うな。と、沖田は思う。

「所属は、第一潜水隊郡所属第三潜水隊所属潜水艦厳龍であります。」

沖田は思わず、海上自衛隊での所属先を延べてしまう。彼はしまったと、思った。

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