ゴクヒサクセンセイコウ
皆川軍曹と倉川上等兵が発見した艦船は一隻ではなかった。5~8隻の船団で、小さな護衛用フリゲートもその中に2~3隻いた。その護衛されている輸送船こそが、今回のターゲットだった。二隻を取り囲む様に、護衛フリゲート艦。のサンドイッチが存在していた。
「沖田艦長!敵フリゲート艦から沈めますか?」
「騒がれると厄介だが…。残り魚雷の本数は?」
「装填していないものを含みますと、43式魚雷8本とハープーン級USM3本の計11本です。」
「よし、43式魚雷で周りの護衛フリゲート艦にはお眠り頂こう。魚雷発射用意!」
「角度…。方位…。オールシグナルオールグリーン発射よし!」
「テーッ!!」
3門の厳龍の魚雷発射管が開いた。3発中3発が1発ずつ計3隻のフリゲートに被弾命中し、撃沈した。すかさず、もう3門のハープーン級USM対艦ミサイルを、発射。物凄い音を立てて、この世のモノとは思えない破壊力で爆発炎上した。従来の予想通り、新型爆弾が爆発したのだろう。これが皮肉にも、この世界で初めて実戦で爆発した核兵器となった。厳龍は対ショック態勢で何とか踏ん張る。しかも同時に2発。その威力は厳龍の攻撃を受けなかった残りの二隻にもダメージを与え大破した。
それを潜望鏡にて、設楽少尉が確認したのを見て、現場海域を離脱。遠路、広島県呉市の帝国海軍呉基地に帰還した。
今回の作戦での戦果は、商船2隻、フリゲート艦3隻、巡洋艦2隻、艦種不明2隻の合計9隻であった。帝国海軍兵器開発局の開発した、ハープーン級USM対艦ミサイルは本家顔負けの威力であった。厳龍がこの極秘作戦を成功させた事により、日本本土への原始爆弾投下は防がれた。
沖田の素直な気持ちは、うれしいというものになるかもしれないが、この極秘作戦成功が、前途多難なドラマの幕開けであった。




