昭和のハープーン級USM対艦ミサイル
この新型爆弾輸送阻止作戦(仮)の為に、開発を急いだハープーン級USM(対艦ミサイル)の発射実験に携わった、大本営兵器開発局の九龍中佐の一番弟子でありこの部局のコース候補生、川井倉少尉は、その破壊力に目を丸くしたという。これは川井倉少尉の言葉である。
「兵器というものは、どこまで進化するものなのか?今、私が見ている未来の兵器を元に作った脅威の兵器の試射に立ち会っている。この兵器が実戦で活躍する姿を楽しみにしている。」
その川井倉少尉イチオシのハープーン級USM対艦ミサイルが、3本出撃前の厳龍に取り付けられた。取り付けに立ち会った水雷科(倉沢少佐指揮下)の海沢大尉と、寺澤一等兵と相澤二等兵の3名は、その出来映えに驚いていた。
「おい、寺澤一等兵に相澤二等兵、これを見てみろ。」
「すごいですね。設計図を完コピしてますよ。」
「日本海軍の兵器開発局というのも、中々やるものだな。」
「おい、相澤二等兵ぼさっとしてないで、すぐ取り付けるぞ。」
「慎重にな。まだ量産されてる訳じゃないんだからな。」
「これで我々も元の世界に戻れると良いんですけどね。」
「まぁ、そうぼやくな。」
「43式魚雷程度の酸素魚雷しか作れない、大本営兵器開発局が作ったとは思えない出来映えですよね。」
「確かにな。まぁ、設計図は沖田艦長が持って行ったものを模写して作ったらしいから、材料さえあれば出来ない事はないだろうな。」
「日本海軍に体よく使われてますね。」
「それは禁句だぞ、相澤二等兵。俺の前だから許されるが、幹部クラスや日本海軍の士官の前で言ったら、鉄拳制裁ものだからな。今のは聞き逃した事にしてやる。」
「日本海軍伝統の鉄拳制裁かぁ、見てみたいね。」
「お前らたるんどらんか?戦場でそんなことだと、敵艦に命中するものも、命中しなくなるぞ。」
「うぃーす。」




