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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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新兵器で討ち取れ新型爆弾

 沖縄から戻った厳龍乗員は、南方戦線から戻った帝国海軍士官の話しを聞かされていた。それは、厳龍整備の為に、空いた時間を埋める為のもので決して戦略的なものではなかった。

 その頃、沖田は上田少将と共に、次なる作戦内容について細かいミーティングを行っていた。呉基地到着後3時間で下命された命令は以下のようなものであった。

 1、テニアン島の敵基地周辺海域で、7月上旬にアメリカ本土より到着すると思われる、新型爆弾の輸送船を撃滅する事。

 2、本作戦は、厳龍による単独行動であり援護はない。尚、本作戦のために兵器開発局がハープーン級USMの開発に成功した。作戦にはこの兵器を使用するべし。以上

 というものであった。沖田は新型爆弾というフレーズを聞いた時に、すぐにそれが原子爆弾であると察知した。

 それにしても、随分な無茶をさせるものだと沖田は思った。いくら新型爆弾破壊の為とは言え、テニアン島は1945年6月時点では完全に敵勢力圏内である。本作戦は、そういった無茶を重ね合わせて成り立つギャンブルのようなものであった。

 沖田は、上田少将から整備中にハープーン級USMが3基搭載されるとともに、43式酸素魚雷も3本つけるといった。末期の日本海軍とは言え、大本営も敵新型爆弾の標的が日本本土である事には気付いていたようだ。どこでその情報を手にしたかのか、その情報源は分からなかったが、沖田ら64名の厳龍乗員の知る歴史と、今ここで時を刻み続ける歴史における、原子爆弾投下予定日は、マッチングしている様であった。

 それを輸送中に破壊してしまおう!というのが本作戦の概要であった。ついでに新兵器の試験も兼ねているとは、笑えない。無茶は百も承知であるが、これを話せるのは厳龍乗員しかいなかった。

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