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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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新たなルートの世界

 近田中佐は、戦争の真の恐ろしさを感じて呉基地に帰って来た。

 佐世保のドックで2週間程修理をして、即沖縄行きが決まった。タッチの差で厳龍と第2戦隊は入れ違いになってしまった為に、直接会話する事はかなわなかったものの、近田中佐は厳龍の活躍を知っていた。天下のアメリカ海軍と言えども、67年後の未来の兵器を止める事は出来なかったのが、沖田や近田中佐にしてみれば勝って当然という、変な自信につながっていっていた。

 沖縄を中々攻略出来なかったアメリカ軍は、日本本土を襲撃しようとあの手この手で、攻略しようと試みるも、特攻に行くはずだった多くの搭乗員がいたため、本土は何とか大きな被害もなく迎撃も出来ていた。圧倒的な物量と知的な戦力の使い方で、勝利の歴史を積み重ねて来たアメリカ海軍が、初めて手こずっていた。

 厳龍の登場により変わるはずのなかった様々な人の歴史が、変わった事により日本海軍は沖田や近田中佐をはじめとした65名は知るはずもない、新たなルートの日本や世界の歴史の扉が開かれようとしていた。

 そんな大層な事をしているつもりはなかったが、厳龍の存在は明らかに本来の歴史には存在するはずのない、異物それそのものだった。

 良くも悪くも、日本の歴史も世界の歴史もあらぬ方向に進んではいないか?

 そんな心配を沖田らがする余裕はなかった。3ヵ月間世話になった那覇基地を出航して、半日もすると、久し振りに日本の本土の土を踏む事になった。何事もない戦闘もないその海は穏やかそれそのものであった。だが、そんな彼等に休む暇はなかった。

 久し振りに呉基地に戻った沖田や乗員64名に大本営の米内海軍大臣から、次なる指令が出たのは呉基到着後約3時間後の事であった。

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