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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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雷撃戦という終戦工作

 潜水艦の艦内は、旧式たろうが最新鋭のものだろうと関係なく狭い。厳龍も同じだった。

 機能的にバランスの取れた配置を考えられた人員で戦う。階級や個人的な人間関係を元に、バランス良く配置するのは、この艦が長いこと陸に上がれない事を想定したものだと言って良い。

 士官も下士官も兵隊もバランス良くなければ、航行に支障が出てしまう。そうしたヒューマンエラー的な要素は、発生する前から廃除しておきたいというのが本音であった。厳龍乗員は沖田を含んで64人。

 総員が実戦を経験するのは初めてであった。統合演習や災害派遣の経験はあっても、魚雷や対艦ミサイルをぶっ放すのは初体験であった。沖田ら64人からしてみれば、レトロ兵器のオンパレードで、まるでゲームでもしているのではないかと、見間違う程だった。

 それでも油断すれば敵の魚雷を受けて打ち落とされる危険性は充分にあった。

 アメリカは、1945年当時においても、世界トップクラスの海軍力を誇っていた国であり、レトロ兵器とタカをくくるのは、危険な事であった。

 この沖縄での何度にも渡る雷撃戦を経験した事で、厳龍は後の世界で日本の武器に成長する事になる。

 ただ、今は一隻でも多くの水上艦艇を撃破する以外に、日本の窮地を救う手立てはなかったのである。

 この沖縄戦回避の為に、厳龍を沖縄に停泊させていたのも、米内光政大将の終戦工作の一貫であった。

 敗けない戦いを目指して、大戦初期はアメリカを苦しめた日本海軍であったが、物量に劣る所を突かれ始めた大戦中期~末期は、もういつ終戦してもおかしくはなかった。終戦したら、ああしよう、交渉はどうしよう?そこは日本の政治家の腕の見せどころであったと言える。

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