4代目厳龍衝撃のデビュー
「沖田二佐!前方にロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦2隻を確認しました。」
「殺られる前に殺る。これは父の教えだ。水雷長?雷撃戦に備えろ!魚雷発射管に注水。来るぞ!」
「まさか!?2隻同時に撃破するつもりですか?」
「航海長!進路はそのままで、速度を落とせ。それから水雷長、アレの発射許可を出すぞ。」
「沖田二佐、アレはまだ使うなと海幕長に言われていますが…。」
「構わない。責任は私が取る。アレを使って初めて4代目厳龍の価値が証明される。」
アレとは、沖田二佐が3年かけて開発した23式魚雷の事で、2023年に4代目厳龍の対潜水艦専用魚雷として搭載された代物である。従来の魚雷にGPS衛星のスターリンク機能(日本の人工衛星さみだれと連携した潜水艦追跡機能)を持たせ、地球上のどの海域にいても発射可能で、23式魚雷は航続距離約10000kmとその迎撃は、ロシア海軍の原子力魚雷ポセイドンを持ってしても困難であるとされている。
「大佐?日本の自衛隊は原子力潜水艦など保有しているのでしょうか?」
「何?目の前にいる潜水艦は原子力潜水艦なのか?」
「スクリュー音から判別しようとしたのですが、米国海軍が保有する日本の海上自衛隊所属の通常動力型潜水艦のどれとも一致しないんです。それに、わずかですが原子力潜水艦の動力源である原子炉を冷やす冷却装置の音が聞こえました。」
「マクレーン中佐を呼べ!」
「どうしましたか大佐?」
「マクレーン中佐?ここは私達に任せて、ハワイの第7艦隊司令官ハロルド中将の元へこれを届けに行ってくれ!」
「これは!?」
「日本の自衛隊所属の原子力潜水艦を写した画像だ。中佐の潜水艦の方が我々の潜水艦より、スピードが早い。隙を作るから、その瞬間に太平洋に一気に抜け出せ!」
「しかし、大佐!大佐の潜水艦は確実に勝てるんですか?」
「分からん。だが、この事実を伝えられるのはマクレーン中佐?君の潜水艦だけだ。既に米国海軍佐世保基地所属の艦艇は、壊滅している。佐世保沖に展開中の自衛隊を全て駆逐し、米国海軍佐世保基地奪還は困難な状況にある。ハロルド中将に伝えてくれ。必ずな。」
「中佐?本当によろしいのですか?」
「ここで全滅するよりはマシだ。何より、大佐の命をかけた選択だ。無駄には出来ない。航海士!両舷全速だ。ハワイのハロルド中将の元へ急ぐぞ!」
「マクレーン中佐…。頼むぞ!」
ドゴーン!!!
「大佐!!くそ、あのロサンゼルス級原子力潜水艦をたった一発の魚雷で沈めるとは!いやいや、感心している暇は無い。この隙に太平洋に抜けるぞ!」
「沖田二佐?逃がしますか?」
「アレの威力を示せただけで充分だ。それに深追いはするなと、あのGMAT隊長にきつく言われているからな。呉に戻るぞ!」
結局、佐世保沖海戦でも米国海軍は惨敗を喫し、4代目厳龍は衝撃のデビューを市ヶ谷の防衛省幹部達に見せつけた。
「山田三佐?凄い潜水艦ですね?」
「あぁ。しかし、海幕長?いつの間にあんな化け物を建造していたんですか?」
「GMATが知らないなら、いくら私が海幕長とは言え知るはずがないだろう?」
「だが、沖田二佐はもう1隻の原子力潜水艦を撃破可能だったにも関わらず、逃がした。何故ですか?」
「深追いをするなと警告したのは、他でもない山田三佐ではないか?」
「逃がしたロサンゼルス級原子力潜水艦はハワイの米国海軍太平洋艦隊所属です。」
「ハワイには、第7艦隊司令官のハロルド中将がいたな?」
「4代目厳龍の存在が知られた可能性があります。」
「いずれにせよ、これで米国海軍の在日司令部は壊滅。沖縄にいる米国海兵隊の部隊も簡単には、日本本土には到達出来なくなった。それに、朝鮮半島では北朝鮮軍と韓国軍が交戦中。しばらくは、在韓米軍も日本にはコミット出来ないだろう。」
「山本五十六自衛艦隊司令官が帰国したら、4代目厳龍と原子力空母赤城を投入し、ハワイの米国海軍第7艦隊を叩きましょう!」
「山本閣下にまたしてもハワイ攻略作戦の指揮を執らせるとは、GMATも随分酷な事をするもんだな…。」
「河野統幕長?ハワイ作戦に移る前に、国産の原子力空母と空母艦載機の建造計画を進めたいのですが?」
「その口ぶりだと、もう水面下では動き出している様だな?」
「はい。海上自衛隊佐世保基地で大破した護衛艦いせをベースに、現在四菱重工佐世保造船所にて、大至急建造を急いでおります!」
「そんな短期間で原子力空母と艦載機がそろうのか?」
「その点については、山本閣下が指示を出しています。ご心配なく。」
令和の怪物4代目厳龍の強力兵器により、海上自衛隊は佐世保沖海戦で圧倒的な強さを見せた。また、捕虜となっていたサンチェス大佐率いるSEALs先遣隊は、恩赦と言う形でワシントンのマクドナルド米国大統領の元へ、強制送還された。朝鮮半島では、激しいミサイル攻撃の応酬となり、北朝鮮軍と韓国軍と在韓米軍それぞれに、甚大な被害が発生していた。




