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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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対日包囲網の形成

米国は、日本の一方的な宣戦布告に対して、まずは冷静に他の同盟国を囲い込み、第二次世界大戦時の様に対日包囲網を拡大させようとしていた。しかし、米国の求めに応じた国は英国とイスラエルだけであった。

「何故、我々に味方しない?スミス大将理由を知りたい。」

「日本は米国と比べて仮想敵国が少ないからではないでしょうか?中国以外のアジア諸国は米国の準同盟国ですが、日露同盟が締結された今、世界情勢は確実に変化しています。」

「アジアはまぁ、目をつぶるとしても、NATO諸国の中で参戦を表明したのは英国だけなのは納得がいかない。」

「日本はさておき、ロシアが日本側に付いたことで一枚岩になると思いましたが、ウクライナ戦争の米国の対応に不満でもあったのでしょうか?」

「それにしても、対岸の火事ては済まされない戦争になるのは目に見えている。米国と日本の単なる単独戦争ではないのだぞ?」

「マクドナルド大統領?米合衆国軍は第三次世界大戦を戦えるだけの軍事力を持っています。しかし、日本の自衛隊は違います。単独では何も出来ないでしょう。」

「随分と長年のパートナーだった日本を甘く見ている様だな?スミス大将?知日派の君なら日本人の潜在的な危険性を認識しているはずだが?なぁ、シャルケ参謀総長?」

「はい、大統領。スミス大将?日本は横須賀基地をあっさりと奪う力があるのだぞ?ブルーリッジも何者かに殺られている。」

「ブルーリッジを仕留めたのは、日本の海上自衛隊の最新鋭潜水艦の魚雷攻撃によるものだと、ハロルド中将からは報告を受けています。」

「いずれにせよ、このままでは対日包囲網を形成するのは困難だ。下手をすれば、米国本土が戦争の巻き添えになるどころか、日本とロシアに敗北する可能性が高い。なんとかしなくては。」

米国は現実的な選択肢としてNATO諸国や豪印軍の取り込みを模索していたが、マクドナルド米国大統領の外交力では、それも期待が出来そうに無かった。その頃、市ヶ谷の防衛省では…。

「田中総理?山田三佐からの作戦はもう報告を受けていますか?」

「いえ。細かい作戦は防衛大臣と現場の自衛官に任せているわ。生憎、安全保障に関しては専門家ではないから。」

「次は三沢の在日米空軍を叩く様ですよ!」

「沖縄はどうするの?一旦、在沖縄の自衛隊戦力は本土に引き揚げる様にと、山田三佐からは指示され、その通りにしたけど?」

「田中総理?沖縄は中国に取らせます!」

「山田三佐?いたの?と言うか、どういう事?」

「地政学的に中国軍を利用し、沖縄に集中する米軍の駆逐をした方が、自衛隊としては被害を最小限度に押さえられます。」

「ロシアだけではなく、中国も取り込むと言う事なの?」

「今は時期尚早ですが、この先の作戦としては中国軍を取り込む可能性は高いです。中国とロシアが味方に付けば、朝鮮半島の両国も対米包囲網に加えられると、目算しています。」

「そんなに上手く行くの?山田三佐?あなた本当にただの海上自衛官なの?」

「ええ。私は一介の海上自衛官です。ただ、米国海軍横須賀基地急襲作戦を立案したのは、総理が肝入りで進めていた対米工作用の専門部隊ではなく、海上自衛隊の潜水艦せいげい艦長佐藤源治二等海佐と私であります。こんなに作戦が上手く行くとは、正直思っていませんでしたが、日米の戦力差から言えば、誰もが予想していなかった結果となりました。」

「なるほど…。防衛大臣お墨付きの2人がタッグを組んでまでして現状を打破したと言う訳ね?」

「田中総理は保守派の政治家として、対米強硬派の急先鋒であり、対米工作作戦専用部隊であるGMATを創設したのではありませんか?」

「そうね。でも私は対米強硬派の政治家よ?それで政権交代を実現したのだから、厳密には保守派ではなく、革新派よ?」

「まぁ、いずれにせよ、米国と戦争をするからにはGMAT隊長の私としては、勝ちに行きますよ!」

「期待してるわよ、山田三佐?」

「はい。」

そう答えると、山田三佐は首相官邸から市ヶ谷の防衛省に車で戻り、GMATの運用を本格化させた。

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