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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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205/251

宣戦布告

日本政府は作戦後、直ちに日米同盟を解消し米国に宣戦を布告した。米国側は即座に報復を宣言し、日米は戦争状態に突入した。この作戦は世界に衝撃を与えた。

「本当に大丈夫なのか山田三佐?」

「現在、中国やロシアとの新たな同盟を締結しようと水面下で調整している最中です。」

「西側諸国も一気に敵に回したな?」

「一概にそうとは言えないですよ。米国に恨みを持つ国は案外多いですから。」

「しかし、米国は核兵器を大量に保有しているのだぞ?日本なんかひとたまりもないじゃないか?」

「日本の自衛隊はそんなものでは殺られません。何せ、秘密兵器がありますから!」

「秘密兵器?」

「実は日本は既に核武装済みなんです。」

「どういう事だ?」

「在日米国海軍の戦略原子力潜水艦3隻を既に制圧、自衛隊艦隊指揮下においております。」

「なるほど…。しかし、この戦争に勝ち目はあるのか?」

「まともにぶつかっては、まず勝てません。」

「この戦争に勝てなければ、今度こそ日本は終わるのではないか?」

「そうならないように戦いを進めるのが、総理の仕事です。」

「NSCを開く。関係幹部を全員直ちに招集してくれ。」

「はい。かしこまりました。」

山田三佐は防衛省に戻り、NSCの結果を待った。もたもたしている間はない。かと言って、無茶をすれば即座に米国の報復攻撃の餌食になるのは目に見えていた。

「ジャップが、牙を剥いたか。一番してはいけない事を日本はしてしまったな。ハロルド中将、第七艦隊は直ちにハワイのパールハーバーに集結し、出撃に備えろ。何、日本の軍事力など我々米国の軍事力に比すれば、どうと言う事はない。3日でケリをつける。」

マクドナルド大統領の目算は全くの見当違いである事を、米国海軍トップのリカルド・スミス大将は見抜いていた。しかも、何故日本がこの様な作戦に打って出たのか、その真意を米国ははかりかねていた。

「佐藤艦長、市ヶ谷の山田三佐より入電です。」

「つないでくれ。」

「佐藤艦長、せいげいには特殊任務としてウラジオストクに向かって貰いたいです。」

「ロシアに?分かった。話はついているんだろうな?」

「ロシア海軍のポルシェニコフ大佐に話をつけてあります。ポルシェニコフ大佐は、ロシア海軍の原子力潜水艦艦長で、ロシア潜水艦隊の副司令官にあたる人物です。」

「山田三佐は、相変わらず仕事が早いな。」

「この戦いに勝つ為には、ロシア海軍の原子力潜水艦が欠かせません。佐藤艦長頼みますよ!日本の国運がかかっていますので。」

「了解した。ではウラジオストクに着いたら連絡する。」

「お願いします。では。お気を付けて。」

「艦長?よろしいのですか?ウラジオストクまでは、かなり危険な航海になる事が予想されますが?」

「上からの命令だ。素直に従うしかあるまい。」

佐藤艦長は、既に腹をくくっていた。

「山田三佐?新潟で採取して来た山本閣下の遺品なんですが、どうやら本物みたいですよ。」

「本当か?しかし、誰が何の為に?山本閣下が亡くなられたのは、日本から遥かに離れたブーゲンビル島上空だぞ!?」

「何か意味があるのでしょうか?」

「さぁな。それより今は、対米工作に集中しよう。」

この時はまだ、山田三佐には山本閣下の遺品がどんな意味を持っているか知る由も無かった。後にこの遺品が日米戦争の鍵を握るとも知らず。

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