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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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204/252

修羅場

「山田三佐!陽動作戦の準備が完了しました!」

「聞いていましたね?よし。じゃあ、皆様作戦を開始しましょう!」

作戦は電撃的に進行した。米国海軍横須賀基地に潜入した奥田海士長達を米兵達は、簡単に見逃しジャミングを許した。最初はただの通信障害かと思われたが、米国海軍横須賀基地に停泊中の米国海軍第七艦隊の旗艦ブルーリッジは、異変を感じ取った。

「ハロルド中将に至急連絡してくれ。何かおかしい。」

米国海軍大佐で、ブルーリッジ艦長のマーカス・ベラリオスは、第七艦隊司令官のリッジウェイ・ハロルド中将にその異変を報告した時には既に手遅れだった。習志野駐屯地から出撃してきた陸自特殊作戦群の急襲を、まともに食らい、基地内にいたほぼ全ての米兵達はその場で射殺された。基地内制圧には1時間もかからなかった。ただ、基地内は修羅場と化していた。

「ズドンとも言わないんだな。」

「山田三佐?特殊作戦群のスキルを舐めてもらっては困ります。暗殺などどうという事はありません。」

そう自信アリげに答えたのは、田中浩二特殊作戦群隊長(二等陸佐)であった。

「佐藤艦長?原子力空母ニミッツは沈めましたか?」

「山田三佐?簡単に言ってくれるが、米国海軍は危険を察知し、艦隊を横須賀基地から離した様だぞ?作戦では停泊中の艦隊攻撃は、陸自特殊作戦群の危険を招くから、回避しろとの事だったが?」

「深追いはしないで下さい。ただ、一隻だけ確実に仕留めて貰いたい艦船があります。」

「ブルーリッジだな?」

「分かっていらっしゃるなら話は早い。出来る限り速やかに撃沈願います。」

「了解した。井上一尉、取舵用意!」

その頃、ブルーリッジ艦長マーカス・ベラリオス大佐はワシントンに緊急入電。合衆国大統領オズワルド・マクドナルドに横須賀基地急襲の一報を入れていた。

「大佐?それは誠か?」

「はい。既に基地内は日本の自衛隊に占拠され、第七艦隊は全滅の恐れがあります。急ぎ援軍を横須賀に…。ザー、ザー。」

「大佐?大佐!?」

「佐藤艦長?ブルーリッジを撃沈しました。」

「よし。そのまま、空母を追うぞ!いや、深追いは山田三佐に止められていたな。」

「日本人は正気なのか?」

合衆国大統領オズワルド・マクドナルドは動揺を隠せなかった。ただ、冷静になり米国海軍第七艦隊司令官リッジウェイ・ハロルド中将に米国海軍横須賀基地の空爆を命じた。ただ、横須賀基地は既に米兵達の遺体以外は何も残されていなかった。

「ハロルド中将、ブルーリッジが撃沈されました!」

「ジャップめ。用意周到だな。ブルーリッジ無しでは空母の運用は難しい。仕方あるまい。米国本土に引き上げるぞ!」

ハロルド中将は米国海軍第七艦隊の残存艦艇を引き連れ、一旦米国本土に戻ると言う決断を下した。

「山田三佐!米国海軍第七艦隊が太平洋沖に離れて行きます!」

「なるほど…。敵も馬鹿ではない様だな。陸自特殊作戦群の撤収は完了している。作戦は成功した。佐藤艦長!米国海軍第七艦隊の追尾は中止して横須賀に帰投して下さい。」

「了解。しかし、陸自特殊作戦群の仕事ぶりには感激したよ。前評判通りの実力だな?」

「ま、これで米国とは完全に戦争になりますがね?」

米国海軍横須賀基地急襲作戦は、まだこれから始まる激戦のほんの入り口に過ぎなかった。

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