表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

199/247

スクラップ

 帝国海軍戦史研究室では、その後活動を続けるも、目的を達する事が、困難になったと判断されて、戸村元大佐の死後20年経過した2006年には、終に組織の廃止が決定する事になる。

 結果的に、厳龍がこの世界に紛れてしまったのは、科学的説明のつかない、原因不明のタイムスリップ的現象という結論で締めくられた。

 2012年を無事に迎えようとしていた日本国であったが、世界の覇権争いから頭一つ抜き出た影響力で、世界史上類を見ない大国として、君臨していた。

 通常陸軍兵力75万人、海軍兵力25万人、空軍兵力15万人、海兵隊35万人、核戦力約8000発、戦車5000両、原子力潜水艦15隻、通常動力型潜水艦15隻、原子力空母10隻、ヘリ空母25隻、イージス艦100隻……。他に揚げれば、キリがない程戦力を保有していた。堂々たる戦力である。

 アメリカ、ロシア、イギリス、中国、フランスといった名だたる大国の戦力を遥かに上回る戦力である。日本の力は、世界の警察になりうるものであった。

 この、巨大戦力を投入する世界大戦が、起こるはずもなかったのだが、局地的紛争の解決に日本の軍事力を利用する国はあった。

 日本がこれだけの大国に成りえたのは、一隻の潜水艦のおかげで有ることを、平成の世に生きる者は知らない。厳龍は、過去の遺物となろうとしていたが、帝国海軍の記録にはきちんと残っていた。

2006年の大日本帝国海軍戦史研究室が閉鎖されると、2年後の2008年には、厳龍のスクラップ化が決定。長年海軍が、その処遇に頭を抱えていた潜水艦は、半世紀以上この国に尽くしておきながら、闇に葬られていようとしていた。

 幸か不幸か、厳龍と共に未来からやって来た厳龍第一世代の人間は、全員死に絶えていた。第二、第三世代も、他の潜水艦に配置され、口を封じ込めるのは容易かった。

 海上自衛隊には、20隻以上の通常動力型潜水艦を保有している。練習潜水艦を除く全ての潜水艦が、実戦配備されている。

 この現実を普段我々は感じる事はまず無い。それは、海の中の事てあり、国民の目に触れる事が無いからだといえる。

 潜水艦という、限られたスペースで寝食を供にし、日本の領海を守る為、懸命に働いてくれている海上自衛官の方々に、敬意を表したい。

 この作品が潜水艦で働く人達の心理を、上手く表現出来ているかは分からないが、興味を持って貰う一環に成れば幸いである。

 さて、皆様は日本の潜水艦の建造能力が、世界でもトップクラスにある事をご存知だろうか?

 日本は、憲法9条によって、原子力を使用した兵器を保有出来ません。空母も戦闘機の離発着するような攻撃的空母は持てません。自衛権の行使に必要以上の攻撃を制限されているからです。そこで、日本の海上自衛隊は、大日本帝国海軍の時代の潜水艦建造技術を引き継ぎ、他国の原子力潜水艦に負けない、通常動力型潜水艦を作る必要が、あるのです。ロシアや中国は、原子力潜水艦を保有しています。

 そうして開発されたのが、おやしお型潜水艦であります。そして、最近ようやく出来たのが、今作品に出てくる厳龍の元になる、そうりゅう型潜水艦なのです。

 海の忍者とも言われる、潜水艦であるがその存在は、ベールに包まれている。なぜならば、偵察からミサイル攻撃まで、その用途は幅広く、情報はオープンにしないのが各国のスタンスだからである。

 海上自衛隊の潜水艦や対潜水艦兵器は、とてつもなく強力である。核兵器はないが、もし搭載出来れ、小国ならばひとたまりもない。潜水艦はそんな兵器になってしまったのです。

 日本の海を守るのは、イージス艦やヘリ空母だけではないのです。海の中、深海の精鋭達(サブマリナーズ)こそ、日本を守る立役者なのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ