表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

196/251

生きた瞳

 戸村元大佐は、報告会も含めて、井野元中佐と法野元中尉を集めて、食事をする事にした。

 「まずは、一杯やろう。皆すまんな貴重な時間を使わせてしまって。」

 「やることなんてなかったし、暇潰しに丁度良かったよ。」

 「自分達は所詮異邦人ですから。消え行くのも運命ですよ。」

 「この世界に来て、大衆酒場に来たのは、以外にも初めてなんだよな。」

 「いつも、汗臭さと油臭さと糞尿の混じった臭いの、鉄の棺桶の中しか行くところはなかったからな。」

 「今は昔ですけどね。まぁ、たまには良いでしょう。こうやって飲むのも。」

 「酒の旨さは時空を越えても変わらんのだな。」

 「そうそう、この間米内元海軍大臣に会ったよ。」

 「どうでした?」

 「どうもこうも元気なじい様だったよ。」

 「米内元海軍大臣が一番厳龍の理解者だったからなぁ。」

 「沖田初代艦長や近田元大佐は、ひいきになってたみたいだな?」

 「そうみたいですが、お二人共もうこの世にはいません。」

 「米内元海軍大臣の所でも、良い情報はなかったみたいだな。その感じだと。」

 「他にも良い情報を持ってる人はいないんですか?」

 「肝心の厳龍元幹部はとっくに死んじまったしな。」

 「米内元海軍大臣の所で駄目なら、他も駄目だろう。」

 「年表整理しましたけど、戸村元大佐なら分かっている事でしょう。」

 「いや、そうでもないぞ。助かってるよ。ありがとう。」

 「こういう小さな努力が大きな花を咲かせるんだよな。」

 「出口は見えないままですけどね。」

 「まぁ、そうだな。」

 「ピンともスンとも来ないんだが?大丈夫か?」

 「タイムオーバーが先に来てゲームセットかもな。」

 「それまでに解明出来ないってのも、運命ですね。」

 「法野元中尉は、運命という言葉にすっかりはまってしまっているな。」

 「もう少し心当たりのある所に行ってみるよ。」

 「自分もまだ、年表を完璧に終わらされた訳じゃないんです。」

 「皆、もう少し付き合ってくれ。分からずしまいでも良いんだ。」

 「そうだな。死んで謎が残っているのも、悪くはないかな。」

 「明日にはきっと良い年表が出来上がってますよ。」

 「お、それは心強い言葉だな。」

 「今のところ、ハッキリ分かっているのは、"birth deth" 生年月日に死ぬって事だけだ。」

 「その理由も謎のままだ。」

 三人は途方に暮れていた。だが、その瞳は死んではいなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ