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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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神の悪戯

 戸村元大佐が、やっておかねばならない事は明確だった。

 この世界に来て、このような運命の元で生きなければならなかったのは、何故かという事ただ、一つであった。

 その解明を限られた時間の中で行わなくてはならなかった為、折角チーム戸村を結成したのだから、効率的に仕事を割り振った方が、賢いというものであろう。

 井野元中佐には、1985年8月現在で生存している40年前の海軍中枢にいた、重要人物の何人かとアポを取り、話を聞いてくるという役回りを任せた。

 法野元中尉には、少し学術的な作業である厳龍が元いた2012年までの日本の歴史と、この世界の年表を作らせる事にした。歴史の差を明確にする為だ。

 戸村元大佐は、集められた情報を整理し、司令塔として指揮を執る事になった。元々、こういう態勢で行動していたのだから、少数精鋭をスムーズに仕事に入れたのも無理はないだろう。

 情報が日に日に集まって来るに連れ、徐々に分かる事もあったが、核心に迫るこれといった決め手はなかった。

 そもそも、厳龍がこの世界に来たことは幸せだったのか?そんなことまで調べていた。戸村元大佐は、沖田初代艦長からその事について、以前聞かされた事があったのを思い出した。

 「戸村先任海曹長、厳龍がこの世界に来たことは一本の道に流れ着いたのだよ。時空の違う歴史のifって奴さ。そして、全知全能の神がいるなら、その神様が、きっと気まぐれを働かせてくれたのだろうと。」

 戸村元大佐にとっては驚きだった。理論派で、理系の沖田初代艦長の言葉にしては、抽象的過ぎるのではないかと。その時は、もちろん深くその意味を考える余裕はなかったが、こうやって退官して時が経ち、思いを馳せると、沖田初代艦長の言いたい事が良く理解出来るようになった。

 確かに理路整然、理論法理法則どれにあたることも、あてはめる事もないが、神の悪戯という誤魔化しに答えを預ける事ができれば、何でもない。本当に分からないのだから、沖田初代艦長の説はあながち間違いではないのかもしれない。

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