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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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戸村の懐刀

 退艦、退官した戸村元大佐には、気になる事があった。

 沖田元艦長をはじめ、1985年3月までに亡くなった元厳龍乗員の死亡した日をリストアップした時に、全てを詳細に調べあげた訳ではないが、検体として7人をランダムにピックアップした。

 すると、2012年現在の年齢と資料から、その7人の生年月日を割り出した。なんと、驚くべき事に、7人全てが元いた世界で生まれた生年月日に死亡していたのだ。これには驚いた。と、同時にその法則が当てはまるのなら、自分の寿命も、元いた世界の誕生日という事になる。戸村元大佐の生年月日は、1986年3月15日である。

 あと、一年を切っている事になる。死ぬことは怖くない。しかし、こんな運命をもて遊ばれたまま、死んでは、死んでも死にきれない。という思いもあった。

 戸村元大佐は、まず終わっていない全ての厳龍第一世代厳龍乗組員の、生年月日と死亡年月日の照合を、終わらせようとしていた。

 10日後全ての第一世代厳龍乗組員の照合作業が終わった。結果は全て合致。つまり、全員が元いた世界の生年月日に死亡していた。しかし、第一世代厳龍乗組員である戸村は、この事実を公にするべきではないと思った。退官したばかりの第一世代厳龍乗組員を、悪戯に動揺させるだけで、得策ではないと、判断したのであろう。

 それに、この奇妙な法則は、2012年の未来から来たcrewに限定された話である。いずれにしても、そんな無駄な混乱よりも、残された僅かな時間で、戸村元大佐は、原因の解明とはいかなくても、この摩訶不思議なタイムトラベルの謎を、その鍵を掴むまでは辿り着きたいと考えていた。と、言っても自分一人でやるには限りがある為、協力者を募りたい所であった。該当者は、戸村元大佐より若い、井野中佐と法野中尉の二人であった。

 特別に仲の良い、現役時代からの部下であり、「戸村の懐刀」とも言われた二人である。とは言え、この二人も法則が当てはまるのなら、余命2、3年である。退役しているため、丸一日幸いにして活動出来る。

 この謎めいたタイムスリップの謎を、解く事は出来るのだろうか?

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