表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/251

豊かさの代償

 本日の当直は、大橋中佐、真野大尉、川名曹長、山宮一等兵、村沢二等兵の5人であった。

 「最近、空気不味くなってないか?」

 「そうですか?」

 「環境汚染が話題になる昨今、日本も隣の対岸とは、いかないようですよ。」

 「ほう。」

 「新聞やニュースでは話題になってるらしいな。」

 「経済成長を続けるのか、環境問題に策を打つか。そのどちらかですね。」

 「今の国民の大半は経済成長を、優先的に進めるだろうな。」

 「二兎を追うことは、出来ない訳ですね?」

 「共存出来る妥協点は、あるでしょう。」

 「未来の事まで考えてる余裕があるか…だな。」

 「今も昔も、今を生きるだけで精一杯だよ。」

 「自由な時代ってのも、考えものだな。」

 「豊かさを追い求める事は、悪いことではないと、感じますが。」

 「自分さえ良ければ良いんだよ。所詮。」

 「食べるだけで精一杯だった頃とは違うからな。」

 「とは言え、目先の利益には食いつくよ。」

 「人間は、神様なんかじゃないからな。罪深き悪人だよ。」

 「だからと言って好き勝手やるから、代償を後送りにして未来の世代にツケを支払わさせる。」

 「この不毛な論議を、潜水艦乗りが話し合うのは意味がありません。」

 「そうですね。これは国民の代表である政治家が、やるべき事ですよ。」

 「政治家の仕事までやれたら、厳龍は無敵だな。」

 「いずれにしても、誰かがツケヲ払うんだ。」

 「それが、未来の人間であってはならんのだよ。」

 「小さい事も積み重なれば、山になる。」

 「塵も積もれば山となる。ですね。」

 「んな事より、明日からの連休中のシフト確認しとけよ。」

 「そうですね。自分等はあくまでサブマリナーですから。」

 豊かさの代償を支払うのは、国民だけとは限らない。厳龍乗員のような海軍兵士でも、海外にいる日本人が、皆等しく負担する。例え、未来の子供たちを犠牲にする事がないように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ