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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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潜望鏡の威力

 「ここより先は、敵艦隊が待ち構えているぞ。気を抜くな。」

 沖田の指令でも、命令でもない呼び掛けに近い言葉は、厳龍搭乗員には痛いほど伝わっていた。

 「沖田艦長、前方3マイルの所に敵艦隊を視認したという旨の情報が、大和より打電されました。」

 「了解。総員戦闘配置。」

 狭い艦内とは言え、よく統制のとれた規律ある軍隊である。潜水艦自身の眼となるのが、潜望鏡という兵器であるが、厳龍に装備されているのは、この時代(1945年)の物より遥かに性能は良い。よって、大和からの定期連絡は無くても、敵艦隊を確認する事は出来た。にも関わらず、沖田は大和の定期連絡を欠かさず聞いていた。

 これは沖田の性格の問題である。味方と言えども間違った情報が寄越される事は、タイムスリップする前の模擬海戦でも、日常茶飯時の事であった。沖田は、その見た目以上に要心深い男であり、今回も打電されているのは正しいものなのか、知りつつも黙って聞いていた。

 ここは、鹿児島と沖縄の中間海域だろうか。戦艦大和の土浦健中将から厳龍へ、空母2隻がおり、それを排除出来れば沖縄へ到達可能だという事が伝えられた。

 「全速前進。目標は敵空母2隻。」

 そこへ設楽少尉(潜望鏡担当)から沖田へ連絡があった。

 「アメリカ海軍空母一隻を確認。場所は方位○○××。」と、正確な情報が水雷長倉沢少佐のもとへ届けられていく。その情報を基にいよいよ魚雷を放つ事になる。

 「倉沢少佐、空母のど真ん中に風穴を空けてやれ!」

 「皆、準備はいいな?目標方位○○××。」倉沢が位置を正確に伝えると、水雷員から準備OKのサインが出され「発射!」の掛け声と共に89式魚雷が発射された。

 その数十秒後、ものすごい爆音を響かせ敵空母一隻が炎上しているのを、設楽少尉が潜望鏡にて視認した。

 「目標に命中を確認。もう一隻の空母を探せ!」

 厳龍搭乗員は飛び上がりたくなる衝動にかられたが、まだ目標はたくさんいた。

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