真っ黒なくせー勲章
本日の当直は、井野中佐、森岡少佐、五里伍長、浦井上等兵の4人であった。
「まさか、その時代を経験するとはな…。」
「テレビに冷蔵庫に電子レンジですよね?」
「我が家にも、もちろん揃っていますよ。」
「電子レンジが洗濯機を上回る理由が面白いな。」
「我が方が十二分に活躍した証拠ですね。」
「今や、アメリカ産冷凍食品を見ない日はありませんよ。」
「肉はうちの子供も好きですね。腹一杯になるからって。」
「確かにな。食いっぱぐれのない時代になった証だな。」
「肥満の子供も増えて増えてくるんじゃないですか?」
「そうかも知れませんね。肉食になって十数年。」
「ちなみにうちの子供はかなりの肥満児です。」
「日本人の先祖は魚や豆やごはんに野菜が、基本ですからね。」
「狩人民俗じゃなく農耕民俗だからな。日本は。」
「そう言えば、厳龍の飯は美味くて、栄養価のバランスも良いですよね?」
「確かに言われてみれば。しかも一日4食だし。」
「お前達は知らないかも知れないが、これが厳龍の伝統なんだ。」
「そうそう。水上艦よりストレスフルなんだから、飯くらい美味いのを食わせろってな。」
「厳龍のカレーも美味いですが、ハイカロリーなメニューが、多いですね。」
「揚げ物や肉類中心だもんな。」
「潜水艦の中でも、以外と体力使うもんな。」
「真水の大きな使用制限が、あるんだ。飯くらい美味いの出せよって話さ。」
「自分は風呂に入れないのが、一番応えますね。本当くっせー。」
「体を拭けって言われても限度がありますよね。」
「まぁ、艦長はじめ皆我慢してる事だからな。」
「ちなみに俺はタオルを真っ黒にした事がある。」
「うわぁ。きたねぇ。って言う自分もあります。勲章ですよ。勲章。」
「まぁ、汗水足らして頑張ってる証ですね。」
メンバーが変わっても、総員の努力と汗水によって、厳龍は以前と変わらない力を、保持し続けていた。




