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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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想いはひとつ

 出撃に際して士気が高い人物を、ここで紹介したいと思う。先任海曹の戸村哲也曹長と、戸村と親しい森岡伍長である。

 「なぁ、森岡いよいよだな。」

 「はい。まさか自分が日本海軍の一員として戦うなんて、夢にも思いませんでした。」

 「森岡は、機関科だっけ?」

 「戸村先任の配置がうらやましいです。」

 「戦闘配置って言っても、艦長や航海長の指示がなければ何も出来ないよ。」

 「それでも敵艦に魚雷を命中させる感触が、得られるだけ良いじゃないですか?自分はひたすらディーゼルとAIPの出力装置に釘づけで、敵艦をやっつける感触なんてかの字もありませんよ。」

 「バカヤロー森岡、潜水艦てのはエンジンが全てなんだよ。エンジンが動かなきゃたたの鉄屑だぜ。お前らが出力装置とにらめっこしてくれるから、俺たちは安心して敵艦をやっつける事が出来るんだぜ。」

 「そう言ってくれるのは、先任くらいのもんです。防大出ではない叩き上げだからこそ、俺たち下っ端の気持ちが分かるんでしょう。」

 「いや、みんな想いは同じだ。一蓮托生の艦においては、防大出だろうが、そうでなかろうが想いのベクトルは同じさ。」 

 「そうだと良いんですけど。」

 「まぁ、中にはエリート丸出しで下っ端の事なんかそっちのけで、好き勝手やってる人も中にはいるな。誰とは言わないけど。厳龍にはそんな人はいないよ。」

 「先任の様に理解のある上官の下で任務に当たれて光栄です。」

 「ありがとよ。」

 この二人の会話からも分かる様に、皆規模の大小はあっても、この戦いで力を見せてやろうという想いは、確かにあった。部下からもあまり評判の良くない近田中佐が、後に厳龍のピンチを救う事になるのだが、まだそれは少し先の話しである。

 今度の厳龍の任務の一番のポイントは、援護機の皆無な戦艦大和を護衛するという事は、沖田以外誰も知らなかった。そうしている間にも、刻一刻と戦いの時は迫っていた。

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