SPEED勘
本日の当直は、鈴木大尉、宇都宮伍長、藤堂一等兵の3人であった。
「もう、いい加減にして欲しい。」
「何がですか?」
「後任人事だよ。厳龍の。」
「代替わりって事ですよね?よっしゃ‼自分も昇進するぞ!って、何にも進展ないですもんね…。」
「艦長なんて、もう、66才だぜ。とっくに退官してる年齢だぜ。」
「まぁ、今まではそれどころじゃなかったからな。ようやく後任人事に着手する余裕が出来たんだろう。慎重になるのも、海軍上層部の指示だろ。」
「そうなるのも仕方ないでしょう。厳龍は、トップシークレットですから。」
「確かにそうだな。でも、限度ってものがある。」
「そうですね。老いは来ますからね。」
「士官クラスの高齢化は死活問題ですよね。」
「いつ死んでもおかしくない年齢ですね。」
「もう少し後任人事のSPEEDをあげた方が…。」
「でも、下っ端の僕には何もできません。」
「俺だって出来ないぜ、大尉の力じゃ何も。」
「だとしても、艦長の立場だったら自分は…。」
「もう少しSPEEDを上げて選ぶだろうな。」
「艦長は責任感の強い御方だからな。」
「それがたまに傷なんだがな。」
「失礼だぞ!」
「まぁ、まぁ、上からお達しが来るまでの辛抱だよ。」
「何も手を打って来ないという事は無いだろう。」
「そうですね。まぁ、気長に待ちましょう。」
「となると、総入れ換えも有り得るな。」
「いや、士官クラスを除いて、下士官や兵隊をランクアップさせる方が良いんじゃないですか?」
「現実的には年齢で、線引きするのが良いかと。」
「そうだな。って事は、下っ端も大きく躍進だな。」
「そこら辺は上層部の匙加減でしょう。」
「そうですね。階級が上がるのは悪い気はしないです。」
「上手くやるだろ。それくらいの事はやってもらわないと。」
「潜り抜けて来た修羅場の数が違うからな。」
「その経験値の差は、大きいですよね。」
いずれにしても、厳龍を寝床にしていた士官達の処遇はどうするのか?など、クリアしなければならない課題は山積していた。




