サブマリナーの見解
本日の当直は、田倉少佐、内野中尉、三村曹長の3人であった。
「日本には、何隻の空母があれば良いと思う?」
「8~10隻くらいですかね?」
「そんなにはいらん。」
「原子力空母だったら、5~6隻もあれば日本列島をカバーできますよ。」
「三村曹長御名答!日本にはそのくらいあれば充分だ。だいたい、ランニングコストが原子力空母1隻だけでも相当額かかるからな。」
「その数字にはどんな意味があるんですか?」
「自分達のいた戦前は、空母5~6隻体勢でしたからね。」
「大事な戦いで、日本海軍が勝てなかったのには、理由がある。」
「戦略的なミスと油断と驕りですかね。」
「負のスパイラル3点盛りという所ですね。」
「よく分かってるじゃないか。その通りなんだ。」
「それがなければ、日本海軍はアメリカ海軍に勝っていたと?」
「それは、言い過ぎですが、状況は変わっていたでしょうね。」
「まぁ、空母の数で、戦争の勝敗が決まるわけじゃないからな。」
「問題はその戦力をどう使うか?だな。」
「どんなに優秀な兵士と兵器が、あってもだ。」
「それを使いきれなかった大本営の負けだ。」
「戦いの上手い人が、トップにつけば良いのかも知れません。」
「最もそうならなかったという事は、歴史が証明しています。」
「空母艦載機のパイロットは優秀な人間がなるべきだ。」
「戦闘技術も大事ですが、発着艦も上手くないといけない。」
「センスのない人間には出来ない。厳しい様ですが。」
「一生どころか、初めから海中にドボンだな。」
「我々のいた世界のアメリカ海軍は、空母艦載機のパイロットを8500人も犠牲にしています。」
「作戦機に至っては、12000機以上、おじゃんにしてますからね。」
「それだけの犠牲を、日本海軍は払う覚悟があるのだろうか?」
「最も、発着艦の技術は日本空軍の方がありそうですね。」
「でも、事故ゼロで運用出来る、と言う事は有り得ません。」
「これから日本が、つーか厳龍が守り育ててきた、空母をどう活用するか、見物だな。」
「深海から、そっと見届けてやりましょうよ。」
「なぁに、今の日本海軍なら、上手く使うでしょう。」




