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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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茶番

 空母艦載機がジェット機になって5年余り。すっかり、ジェット機の扱いに慣れた日本海軍は、7隻ある全ての空母で、ジェット艦載機を問題なく、運用出来る練度を保っていた。

 これにより日本国は、独自開発を続けている原子力空母の運用に向けて、実績を確立させた事になる。

 日本海軍には、空母運用のノウハウが大量に蓄積されており、技術開発に何の制約もないこの世界の日本国は、原子力を兵器に転用する事も、原子力潜水艦を創る事も造作のない事であった。

 空軍戦力を整えた事で、日本軍全体の力は、比較的ハイレベルなもので、推移していた。

 確実に世界最強の国家への道を、歩み始めていた日本軍にとっては、アメリカ合衆国という宿敵を、どうしても倒さなければ、ならなかった。ただ、日本軍の方が兵器開発においては、リードしており、その技術力の差は年々広がっていた。

 一方、沖田は近田大佐と供に、呉基地に戻って来た。結局、軍縮会議で決まった事は、大国間の利害の不一致から、具体的な兵器の名前や、削減量は明記せず、ただ、「現状を見直す必要あり。各国は、不必要な兵力の増強は避けるべし。」

 折角集まったのに、これでは御話にならない。沖田は、軍縮会議をこのように吐き捨てた。

 「こんなものは、茶番だよ。近田大佐。」

 軍縮につながるものは何もなかったが、日本国にとって、何も得るものがなかったか?と言えばそうでもなかった。

 日本とアメリカによる二国間で争う構図の中で、日本側につこうとする、アプローチを仕掛けてくる国々も、中国やロシア以外にあり、協力を確約出来た事は、外交ベタの日本国にとっては思わぬ、出来すぎた副産物であった。

 参加国のほとんど全てが、軍縮には乗り気ではなかった事も、アメリカにとっては予想外であった。

 何はともあれ、やはり時代は違えど、日本の大地が一番肌に合う。沖田も近田大佐も、そう思って厳龍での日々を過ごす事になる。

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