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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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本音と建前

 本日の当直は、小野大尉、飯田曹長、倉川上等兵の3人であった。

 「意見箱ねぇ。こんなもん役に立つと思うか?」

 「正直、こんなものは形だけでしょうね。」

 「下っ端にしてみれば、言いたい事を言える数少ない機会ですよ。」

 「上層部の腹が読めないが、何か目的はあるはず。」

 「自分の経験上、こういう慣れない事をするのは、何か目的があると考えます。」

 「僕のイメージしていた大本営は、こんなアンケートなんてしないと思います。」

 「試しに何か書いてみるか?そうだな何書くか?」

 「未来に帰りたいとか、元の世界に戻りたいとか?」

 「それはやめときましょう‼大問題になりますから。」

 「確かにその質問はタブーだな。」

 「飯が不味いとか、寝るのが早いとか。」

 「それなら当たり障り無くて良いんじゃないですか?」

 「そんな事をワザワザ大本営に伝えなくても良いだろう?」

 「それはそうですね。こんなのキマグレですよね。キマグレ。」

 「キマグレですか…。上層部は何を考えているのでしょう。」

 「そんなアンケートより、俺達にはやらねばならぬ事がある。」

 「日本国の防衛ですね!」

 「優先事項が何かは心得ています。」

 「良く分かってるじゃないか。ワシントンの事は、艦長と副長に任せとけば良いんだ。」

 「もう、最近は元の世界に戻りたいという気が無くなってきました。」

 「それはまずいなぁ。その気持ちは大事だぞ。」

 「あっても無くても、心の奥にしまっとけ。」

 「そうですね。大切なものは淫らに出さない。」

 「時には本音よりも建前を優先するように?」

 「そういう時もある。TPOだな。」

 「国防をとるか、元の世界に戻りたいか。」

 「諦めた方が良いのかもしれませんね?」

 「いや違う。結果として戻れなくても、それが運命なんだ。」

 「そう思わないと、やっていけないですよね。」

 「そんなものなんですかね?甘んじて受け入れろ、って事なんですかね…。」

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