予備役
本日の当直は、設楽少尉、鳥沢軍曹、三杉一等兵の3人だった。
「新兵器新兵器って騒ぐけど、実際大した事ないよ。」
「そりゃあ、2012年から来た人間には物足りないでしょう。」
「戦役から10年。ようやく全ての部隊で装備を入れ替えられました。」
「まぁ、日本はご存知の通り資源がない、持たざる国だからな。」
「それは、永遠の課題ですね。まぁ、金で中東地域を押さえましたから、オイルショックは避けられそうですね。」
「アメリカ相手に勝つには何でもしないと。」
「今、もう一度だけアメリカ相手に戦うとしたら、どうなるんだろう?って思う事はある。」
「それは、敵さんが一番思っている事だろう。」
「空母機動部隊や空軍の練度の差で負けますよ。」
「それは、分からんぞ。こっちには厳龍がいるじゃないか!」
「とは言え、厳龍は来た時から、パワーアップした訳じゃないからな。」
「お寒い限りですね。でも、兵器開発局のおかげで、魚雷発射管が2倍の24門に増えて、それとは別にハープーン対艦ミサイルを3発撃てるようになりましたからね。」
「相手も流石に研究して来るだろうしな。」
「大量の潜水艦が来たら、結構ヤバイかも。」
「装備を整えても、人員も育てないと。厳龍にも高齢化の波は来てますからね。」
「特別な技術は要らないからな。幹部に上がるチャンスだぜ!」
「自分達の目の黒いうちに、やって欲しいですね。」
「乗る人がいなくちゃ只の鉄の箱ですもんね。」
「そう言う事だ。そうならないように艦長も手を打って来るだろうしな。」
「そう願いたいんですが、艦長の後釜はやっぱり近田大佐ですかね?」
「退役したら予備役に入るんですよね?」
「予備役って、自衛隊だと予備自衛官的な?」
「予備役とは言え、星の数がモノを言うんだな。」
「今は平時だから良いけど、有事になったら駆り出されるって事だろう?」
「日本は、中国、ロシアとは軍事同盟を結んでいますが、いつまでもそれが続くかは分からないし、アメリカが、いつ宣戦布告をして来るか分かりませんしね。日本の回りは敵が多いですね。」
「そこを上手く立ち回ってもらいたいなですな。政治家の皆様には。」
「ところで、今の総理大臣って誰だっけ?」
「あんまり情報が入って来ないんで分かりません。艦長なら知ってますよ。きっと。」
「それを知ってるからって、どうにもなりませんよ。」
「それも、そうだな。」




