PRIDE ~サブマリナーの誇り~
本日の当直は、山村中佐、佐倉大尉、星谷上等兵に戸村先任海曹長を加えた4名であった。
「俺は何でこんな所にいるんだろう?」
「中佐殿、随分弱気じゃないですか?」
「僕もたまに、そういう感情に支配される事がありますが、気にしない様にしています。」
「それは最良の方法ですね。気にしだしたらキリがないですもんね。」
「そうなんだよな。気にしだすと抜け穴を探すのが難しくて。」
「今は非戦闘状態だから良いですけど。」
「いつまた戦闘状態になっても良いように、準備万端にしておかないとですね。」
「備えあれば憂いなし。戸村先任海曹長の言うとおりです。」
「時代は違っても、日本の為に身を捧げているのに、間違いはない。」
「そう、その気持ちが大事なんだな。日本を守るんだぜ。ってな。」
「先の大戦やアメリカとの戦いで、確実に成長しているな。」
「まぁ、僕らの活躍は敵さん(アメリカ海軍)が一番良く分かってるよ。」
「しっかし、艦長は大変だよな。俺達65人の事。それから、日本の事。」
「まぁ、それが、艦長たる人間の努めですからね。」
「自分達は、艦長に従うだけです。」
「僕みたいな下っ端でも、艦長の役に立てますか?」
「当たり前だろ!65人しかいないんだぜ。」
「役に立って貰わないと困るんだよ。お互いにな。」
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。ですよ。」
「良い事言いますね。流石、戸村先任海曹長。」
「狭い艦内だと、肉体だけじゃなく精神も凝り固まってしまうよな。」
「その為に、外出や半舷上陸があるんですよね
?先任。」
「そうですね。一定期間以上艦内にいるのを避ける様にコントロールしています。もちろん、緊急時は我慢してもらう事もありますが。」
「サブマリナーとはそういう者よ。何事も気持ち大事ね。」
「そうですね。精神論はあまり好きじゃないですが。」
「海軍の中でも、最もしんどい配置がサブマリナーですからね。」
「成る程。そういうPRIDEや誇りになるんですね。」
皆、想いの強さは違っても、ロボットではないため、意志を持っている。そう感じさせるような会話をしている、本日の当直であった。




