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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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118/232

憶測

 日本空軍が、どうであれ、日本海軍の一員でしかない厳龍の乗員にとって見れば、全く関係ないとは言えないが、影響力は小さい。それは当直の4人の会話からも、よく分かる。

 この日の当直は、山下中佐、長谷川大尉、三村曹長、森山軍曹の4人であった。

 「艦長と副艦長と水雷長の3人がそろって出張とはなぁ。」

 「中佐殿、どうかなされましたか?」

 「いや、何て事は、ないんだ。」

 「関東遠征の事ですか?」

 「よく分かったな三村曹長。」

 「トップ3が出掛けてる時に限って、重大事項が起きたりするんだよな。」

 「何も無ければ良いんだけどな。一応中佐が一番階級では、上になるな。」

 「心配しなくても、井浦艦長代理と、戸村先任曹長がいますから、大丈夫ですよ。」

 「私の予想では、日本空軍の視察に行かれたものと思われます。」

 「私もそう思います。きっと作戦を立てるのに重要なのでしょう。」

 「それだけなら良いがな。しかし、こんなに忙しい時に行かなくてもなぁ。」

 「まぁ、上の人の意向なんで、断れないんでしょう。」

 「海中が専門の我々厳龍にとって、空の世界は門外漢で良いんですよ。」

 「頭の隅にでも置いておきましょうよ。」

 「確かに、海上自衛隊が航空自衛隊の事を考える事はないもんなぁ。」

 「専門徹底。それが一番良いんですよ。」

 「個人的には、日本空軍の事を知りたいです。」

 「プロペラ機が、ジェット機に変わっただけだよ。」

 「それは歴史的な事じゃないですか?」

 「ディーゼル潜水艦が原子力潜水艦に変わった様に。」

 「それは誇大表現ですよ。」

 「日本空軍は、陸軍航空隊や海軍航空隊をベースにしたのは、確かです。」

 「日の丸をつけた航空機と言えば、航空自衛隊しか知りませんからね。」

 「詳しい事は、艦長達に聞けば良い。」

 「その通りです。我々は皆が寝静まったこの潜水艦を守るという任務を果たすだけです。」

 「雑念を振り払わなければ、良い仕事は出来ません。」

 「とは言え、今は平時。不審船もほとんど来ません。脅威となる敵は今の所居ません。」

 「油断大敵だぞ。海の中では、それではいかんぞ。」

 「さーって。そろそろ夜明けだ。交代の時間ですね!」

 末端の兵士にとっては、どこか他人事のような気持ちに、なれないのも無理は無いことであった。

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