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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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些細な口論

 空母運用が、戦力になるレベルに達するまでは、厳龍や戦艦大和などの既存の戦力で、日本を守りきるしか方法はなかった。

 この日も太平洋から日本海への哨戒任務で忙しかった。そこからの帰路の話である。

 ちょっとした、口論が厳龍艦内で発生した。当事者は内野中尉と、大橋軍曹の二人で、そこに止めに入った倉沢中佐と、井浦中佐もいつの間にか口論してしまったという、お粗末な状況であった。

 「だから、この国には空母がいるんだよ‼」

 「日本が持てるか持てないかの議論中にそれはなしですよ。」

 「現代戦で必要なのは核と空母。この二つなんだよ。」

 「よく平気でそんな事が言えますね?少なくとも検証はしないと。」

 「二人とも落ち着け。そんなにヒートアップしていては、冷静に話合いが出来ない。」

 「とは、言うものの俺は大橋軍曹の意見に賛成だがな。」

 「技術がある国はどんどん実用化すれば良いんですよ。」

 「大衆向けの工業製品とは違うんですよ。分かります?」

 「そんな事を言っている様では何時まで経っても元の世界に戻れないぞ。」

 「それとこれと何の関係があるというのですか?」

 「それは俺も是非知りたいね。」

 「やれる事は全てやらないと。」

 「内野中尉の言うことも分からなくはない。」

 「ここで議論したってラチがあかない事なんですよ。」

 「まぁ、そうだな。でも俺達は操り人形じゃないんだ。」

 「下っ端の意見に重要性なんかないんですよ。」

 「だからって、俺達が黙ったら誰が言えるんだよ?」

 「内野中尉、落ち着け。ここで議論しても仕方ない事だ。」

 「内野中尉は正義感が強いんだな。まぁ、ここは折れておけ。」

 「はい。そうですか。で引き下がる訳には行かないんすよ。」

 「正直な話、サブマリナーにとっては関係がない話です。」

 「そうかもしれんが、俺達も帝国海軍の一員なんだぞ。」

 「厳龍で上がった意見として、倉沢中佐を通して上に持っていってもらえませんか?」

 「まぁ、言うだけ言ってみるが、かなり難しいと思うぞ。」

 「口論はよそう。気持ちは分かるが、味方なんだし。」

 この口論は、結局机上の空論に過ぎなかったのである。

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