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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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大本営の影響力

 大本営の陸海軍本部は、そのまま影響力を残して、日本の現政権にも少なからぬ影響を与えていた。

 本来、消滅しているはずの組織が、実権を握っていたのでは、日本の戦後というものも、信憑性に欠けたものになってしまうのであるが、厳龍の漂流という現実が、生まれてしまった時点で、それは仕方の無い、という一言で済まされるものになっていた。

 実権を握り続けていた大本営ではあったが、相変わらず、陸軍と海軍の仲は悪かった。それでも、国益の為に手をとり合うことが出来ていたのは、進歩と言えるものであろう。

 大日本帝国陸海軍のエリート中のエリートが、日本の戦後外交の中心で、手腕を発揮していたのは、日本にとっては幸いな事であった。

 何よりも彼らが優れていたのは、したたかに自らに転がりこんで来た力を、コントロールし続けてきた事にあった。

 戦時中の反省点が、よく分かっていたこの組織の力があれば、もっと先の戦いも有利に進められるのでは、と思う程だった。

 対中、対露といったアメリカ以外の、第三極の力の結集に、尽力したのは、少しでも日本の立ち位置が有利な様に働く為であり、全ては陸海軍参謀が判断し、日本政府の意志として行われた。

 謎の潜水艦が、日本海軍に突如現れた事によって、アメリカに勝利したという事は、他言無用の事象として、歴史の闇に葬りさろうと、していたが、下から上まで日本軍全体が、その事実を知っている事は言うまでもない。

 そして、日本陸海軍による戦略の中には、欧州やアメリカとも、積極的にアプローチを取り、とにかく、国際的な孤立を深めないようにする事にやっきになっていた。

 日本は、アメリカを破る程の力を持っていても、いなくても、その方針に変わりはなかった。資源のない島国である以上、国際的な孤立は即死を意味する。一億人もの日本人を守る為にも、それは、避けたい。

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