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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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精一杯

 魚雷の網を潜り抜け、持ち前の俊敏性で敵艦隊に殴り込みをかけるのが、戦時の厳龍だとしたら、平時の厳龍は物足りなく、味気のないものに感じられてしまうかもしれない。

 しかし、そうは言っても戦時の厳龍こそ、異常な姿であり、哨戒任務を平然とこなす方が、潜水艦というジャンルの艦からすれば、普通の姿である。それは、別に厳龍が未来から来たスーパーウェポンであるからという事は、恐らく関係がないものである。

 港で整備されている間は、当然闘えないし、平時の間にしか出来ない事を、最優先でやる必要がある。

 戦時が、どれだけ続くのかという事は、分からないが、平時がどれだけ続くのかという事も、同じように分からない。大切な事は、どういう状況になったとしても、ベストを尽くせる状態に持っておく事であり、平時ならば尚更そうでなければならない。

 訓練の必要はなくとも、整備をして闘えるようにしておく事は、やっておかねばならない最低限度の事であった。

 この世界では、不可抗力なのかどうなのかは、別としても、日本海軍や、日本陸軍という明治時代に健軍された組織が、残ってしまっている。

 それが、良いか悪いかという事は別にしても、日本が、アメリカに勝利してしまった事により、沖田達厳龍乗員の知る戦後とは、違うものになってしまった事は、事実である。

 今後も日本海軍の指示の元で、動いて行く事に何の疑いもなく、厳龍乗員は生きて行く事になる。何が正しくて、何が間違っているか分からないまま、沖田は時の流れに身を任せてしまっている。

 沖田は、この時代から元の時代に戻る事は既に諦めていた。というよりも、この時代で生きるだけで、精一杯であり、それ以外の事を考える余地がなくなっていた。

 厳龍はそんな悩める士官の元で動いていた。

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