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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六
昭和の大日本帝国海軍の潜水艦

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106/251

patrol

 沖田が、少将に昇格しても、厳龍が直接出向いて作戦や指揮をする場合は、必ず厳龍に乗って出向いた。

 それは、沖田のポリシーというよりも、スタイルに近かった。この日は、呉基地近海での模擬訓練から引き揚げて来た所で、艦内には数名の作業員を残して、皆外出に出庭っていた。

 残っていたのは、鈴木大尉、佐々少尉、鈴村軍曹、倉川上等兵の四人であった。

 「こうやって残るのも悪くないな。」

 「残業代が出る訳ではないし、特に期待はしてませんけど。」

 「なんてサービス精神に富んだ兵士なんでしょう。」

 「一応、僕らは海上自衛官なんですが。」

 「バカ野郎。今はお仕えする相手が違うだろう。今は日本海軍の一員で、海軍大臣や連合艦隊司令長官に仕えるだろ。防衛大臣も、防衛省も、どこにもない。」

 「そう、ここは1951年12月だし、俺達のパトロンは日本海軍だ。」

 「こうやってパトロールを残しておくのは、見張りを怠るなと言う、艦長の方針なんですよね?」

 「いやいや、普通にパトロールはするだろ?」

 「このsubmarine(厳龍)が誰かの手に渡ったらまずいだろ?」

 「そりゃそうだろ?最新鋭最高機密の塊じゃないか?」

 「世界を変えちゃう実力があるからな。」

 「ありそうじゃなくて、あるんですよ。」

 「全員が外出出来ない理由はそれだな。」

 「日本海軍の兵士に任せないのは、艦長が海軍を信用してないから。」

 「日本海軍とは、あくまで契約してるだけですもんね。」

 「そうでもなければ、ただの使い走りだろ。」

 「お互いにしたたかなのさ。艦長も米内大将も。」

 「アメリカに勝てたのは、そういうしたたかさが力を発揮したからさ。」

 「しかし、皆が楽しんでるのに、自分達だけ…。」

 「大丈夫ですよ。我々も別日に外出出来ますから。」

 「不公平な扱いは、部下の恨みを買うからな。艦長もその辺の事は、よく分かっているよ。」

 「一蓮托生の潜水艦乗りにとっては致命的だな。」

 「それにしても、異常が無いのが何よりの救いですね。」

 何時でも、厳龍は出撃出来る様に待機する体制を整えておく事が、厳龍には求められていた。

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