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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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宿敵との和解

 日本海軍にとっての宿敵とは、アメリカを意味しない。アメリカはあくまで仮想敵国の一国に過ぎなかった。

 日本海軍創設以来の宿敵とは、ロシアの事を意味する。その宿敵に対して、日本海軍はアメリカと戦っている時から、戦後工作の一貫として、大量の資金を対ロシア外交に充てて来た。それは、宿敵を押さえ込んで味方にしていれば、あっちもこっちも、敵だらけにするという状況を避ける狙いがあった。

 ロシア側も、その事は承知の上で、資金提供を受けていた。これで、中国に続いてロシアも押さえ込む事に成功した。しかも、状況に応じては味方に出来る根回しを、外務省は行った。沖田の助言によって。

 日本の政治力が、戦略的だったのは言うまでもない。厳龍という新戦力の加入は、日本の政治姿勢をも、変える力があった。

 日本の外交能力が飛躍的に上がった訳ではない。だが、日本のしたたかさは、飛躍的に上がった。それは、これからも活きて来るだろう。

 ロシア政府高官は、非公式の会談で、日本政府高官に対して、こう言ったと言う。

 「アメリカよりも日本とくっついていた方が、ロシアとしてはやり易い。アメリカに必要以上に力をつけて貰っては困る。かといって、日本が力を飛躍的につけるのも、ロシアとしては歓迎しない。ロシアが日本と手を組むのは、都合が良いからだ。そこに中国が入ってくれたら尚更良い。とかく、現時点でロシアが選べる最高の選択肢は、日本と手を組む事だ。」

 そのロシア政府高官の言っている事が、ロシアの戦略の全てだった。ロシアの本音は日本という期待のホープを思想が合致しなくても、味方につける。

 日本もロシアが宿敵だったのは、今は昔。日本はロシアという大国を味方にし、戦後を向かえようとしていた。

 尚、ソビエト連邦も含めての総称をロシア連邦と今作では呼ぶことにしている。

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