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深海の精鋭たち(サブマリナーズ)  作者: 佐久間五十六


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火種

 影響力・面積のいずれを見ても、沖田達の知りうる中国とは、全く異質のものであった。

 それは、この世界の日本が、アメリカとの二度に渡る戦を経ても、失う事のなかった中国の影響力が、そうさせていた。

 この世界の中国に、満州や台湾を取り返す力はない。なかば、日本の操り人形の様になっている面もあった。大日本帝国陸軍が、押さえ込んでいる為、日本としてはそんな中国を自らの勢力圏内に治める事によって、外交カードとして残しておく事は、重要性が高かった。眠っておいて欲しい虎に良い眠りを与えておくことで、日本はアジアでの優位性を保とうとした。

 アメリカとロシアの二大国の冷戦状態が続いて、大きな秩序を形成していた沖田達のいた世界とは、似て非なるものであったが、日米二大国による冷戦が始まろうとしていた事に違いはない。

 足下を崩されないよう、対中戦略は万全を期さねばならなかった。ペットのような存在にしておきたい日本としては、アメリカが中国を支配下に治めるのだけは、阻止せねばならない。日本の庭とも言える中国大陸に、土足で上がられるのは日本陸軍のPRIDEが許さなかった。

 それに、折角火の収まり火種に油を注ぎ込むのは、避けたかった。とにかく、自分達の力が及ぶ範囲内で、アメリカという国がのさばって貰っては、生活に関わって来る。アメリカとは、ぶつかり合いたくないが、己の権益は守りたい。

 そこで取られたのが、第三極にいる勢力の囲い込み政策であった。今や飛ぶ鳥を落とす勢いの日本であったが、結局それは日本が戦争で、無理をした事によるご褒美のようなものであった。日本にとって、アメリカ以外の国は味方につけておけば、なんて事はない国ばかりだった。

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