再会
私は驚いて声が出ない。
彼「こんな時間に何してる?」
私「あなたこそこんなところで何してるの?」
彼「俺はそこのお店でお茶してた、
そこのコーヒーがおいしいって評判だから。」
たしかにそこには半年ぐらい前に出来たカフェがあった、
雑誌なので紹介されて連日混んでいた。
私は何を話したらよいのかわからなくて、
「元気だった?」と当たり障りのない質問をした。
「うん、元気だよ。この近くに住んでるの?」
私は彼に聞かれて自分の格好を思い出した、
ラフな格好の自分が、急に恥ずかしくなった。
私「うん、すぐ近くに1年ぐらい前に引っ越して来たの。」
彼「スマホ変えた?連絡したら繋がらなくて…
今も1人暮らし?」
私「うん、今も1人暮らしだよ。」
彼「こんなところで偶然会うなんて、何か運命感じるよね!」
えっ運命?そんなこと言う人だった?
彼「俺も彼女と別れて今は1人なんだ。
今度ごはんでも食べに行かない?」
私「えっ!!」
今、目の前に彼がいて、
何度も夢見た彼からの誘いの言葉、
夢じゃないよね?
でも私の心の中に何か違和感がある。
この違和感はなんだろう?
彼「ごめん、急すぎるよね、
考えて答えが出たら連絡して。」
彼は名刺を出した。
彼から名刺を受け取る為に彼に近づくと、
昔と同じ匂いがした。
なつかしさとやはり違和感を感じる。
彼「じゃ、今夜は遅いからまた、
送って行こうか?」
私「い、いいよ!
すぐ近くだから、おやすみ。」
彼は暗闇に消えて行った。
夢?
いやいや私の手に彼の名刺がある。
夢じゃない!
つづく