第3話 沖縄旅行!その1
5月28日。僕達は飛行機で沖縄へと旅立った。
しかし中には事情があって残る者がいた。確か……34人中13、4人くらいだったかな?
その人達は僕達が楽し〜く遊んでる間学校に来てずっと勉強だ。ま、精々頑張れよ居残り組。
という僕は現在飛行機の中から外の景色を見ている。といっても外は飛行機が空高く飛んでいるため、雲ばかりだ。
そして隣には哲学者のような男、森◯が何やら雑誌のようなものを読んでいた。
まぁこいつはどうせ新聞でも読んで……何っ!? エロ本だと!? ちょ、おまっ! 僕にも見せてくれよ!
僕は視線をちらりと森◯が持つ雑誌へと視線を落とした。
といってもここからだと巨乳の女がバックから◯ン◯ン突かれている写真しか見えない。もっと見せろよ!
かといってこれ以上露骨に見るわけには……
その時、森◯と目線が合ってしまった。
「……何?」
森◯は自分が読んでいるエロ本がクラスメイトに盗見されているとも知らずに真顔で僕に問いかける。おのれ……こいつ、堂々としてんな。
「あ、いや、別に……」
僕は無難な言葉を返す。この時、初めて森◯と会話した。
だが、ここであえて正直に言おう。僕は女の子と隣同士の席になりたかった。
数時間後、沖縄についた。外に出ると、元いた大阪と違い、とても暑かった。すぐにでも全裸になりたいぐらいだ。
太陽の位置を見るにどうやらまだ昼のようだ。朝から出発したからこんなもんか。
そこからまずホテルに行き、荷物を置きに行く。
「「「「っ……」」」」
さすが残り物組。誰も喋らない。ベッドで寝る場所決めるなど最低限のことしか喋らない。あ、今クリームパンダが何もないところでつまずいた。
「っ………」
そして僕と同じ苗字を持つ銀◯。彼は自分の荷物を置くや、そそくさと部屋の外へと出て行った。
あいつどうせ女の子の部屋に行ってるだろこのハーレム男め!
そして森◯はカバンの中から……またエロ本かよ! 好きだなほんと。僕にも見せてくれよ。
と、その時ーー、
「どうした? この本が気になるのか?」
森◯はエロ本(今度は貧乳の女の子の写真、まるで◯◯さんのようだ)を俺に見せつけながらそう言った。くそ、こいつ、どのサイズが好みなんだ!
「……はい」
気づけば僕は頷いていた。それはもちろん、このエロ本を読むためだ。
「いいよ。一緒に見ようぜ」
この時、僕は思った。この男は神だと。
その後、僕達は少し打ち解け、他にもいろんな話をした。ドラゴン◯ールの話とか好みの女の子の体型とか。
ちなみに森◯は巨乳が好みのようだ。だが僕は違う。貧乳も巨乳も両方大好きだ。
こうして僕にはまだ友達とは言えないものの、話し相手が出来た。実はこの時、めちゃくちゃ嬉しかった。
そろそろお腹が空いてきたと思ったらいつのまにか時刻は午後7時を過ぎていた。しまった。僕の観光、プール……ま、ボッチだと寂しいからやんないけどね。
近くに居たはずのクリームパンダも消え、部屋には僕と森◯の2人のみ。まって、これなんてシチュエーション? 普通こういうのは女の子だって相場が決まってんだよ! なぜだ! なぜ……
いや、贅沢なんか望んじゃダメだ。僕は今あるこのエロ本をじっくりと眺めることにしよう。
晩御飯はコンビニで買ってきたインスタントラーメン! う〜ん、このまろやかな味わいとコクがでたとんこつスープがなんとも絶妙だ……
対して森◯は菓子パン。うん、普通だ。
さっき帰ってきたクリームパンダは……ふむ、サンドイッチか。少食だな。そんなんじゃ薄い影も濃くなら……げふんげふんなんでもない。
にしても銀◯はどこにいった? あいつ部屋の外に出たっきり1回も帰ってきてねぇぞ、どういうことだ?
その時、ふと携帯を見るとLIN◯の通知があった。とりあえず見てみる。
「なっ……!?」
そこには男子のほとんどが1つの部屋に集まった写真がクラスのグループに貼ってあった。なんだこれは……っ! なんで僕達は呼ばれてないんだ!?
すぐに気がついた。僕は影が薄いから忘れられてるんだと。あと、森◯やクリームパンダも。
べっ、別に悲しくなんかないもん! あんな狭い部屋に男子10人以上が集まる? ははっ、むさ苦しくてやってられるか!
……バケモンGOでもやるか。
アプリを開くとそこには沖縄限定のバケモン、ザニーコがいた。