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悪の十字架


 ある日の早朝、Aさんはスーパーに立ち寄った。

 しかし、スーパーのドアは閉じられたままで開く気配はない。

 自動ドアの向こうでは、何やら不穏な気配。

 そういえば、このスーパーには不思議な噂があった。

 精肉コーナーで販売されている肉に、殺人事件で殺された人の肉が混じっているという噂だ。

 なんでもソーセージやひき肉などの加工品に混ぜられているので、味では絶対に人肉が混じっていることが分からないらしい。

 Aさんは、そんな噂を思い出しながら呟くのだ。


「開くの十時か……」


 視線の先には「営業時間 10:00~22:00」と書かれた張り紙があった。


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