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サルタ・ドリーム

作者: よ八

人にとって眠るという事は何なんだろうか。

体の休息と脳の休息と言われている。休息をとり、一日の疲れを癒し次の日に備えるためにしている。人にとって欠かせない欲求である。


そして、人は眠る事で【夢】を見る。


【夢】は人に様々なモノを見せてくれる。未来であったり、過去であったり、普段体験が出来ない事であったり、人により様々である。


良いものであり、悪いものでもある。


だが、今の世界の人々は【夢】を見る事を恐れている。【夢】は人を閉じ込めてしまう世界となってしまっている。【夢】の中で【夢】をみる。そして、現実の世界に帰って来れなくなっている。


この状況は突如20年前に起き始めた。

20年前では原因不明の病である【クライン・レビン症候群】が発端だった。


当初は、数日から数ヶ月で人は目覚めたが、次第に目覚めなくなり酷い例では、死亡してしまう人もいた。

最初の数年は病にかかる人は、3000人を超えていたが、今では240000人を超えた。今でも原因不明であるが、15年が過ぎた頃に【夢】に捕われた人を救う方法は生まれた。


【サルタ・ドリーム】


直接、人の【夢】の中に入り、その人を連れもどす事である。だが、この方法では、【夢】の中で失敗してしまえば、救いに入った人も【夢】に捕われ死亡してしまう危険性が高かった。


しかし、方法はそれしかなかった。人々は救いを求めるようにこの方法を幾度となく試みた。が、救えた人は1割にも満たなかった。


執行者たちは【夢】の中で【夢】を見ていると考えたが、年数を重ね、クライン・レビン症候群の人は【夢】の中で【夢】を見て、その【夢】の中でも【夢】を見ていた。何層もの【夢】があった。全ての【夢】から覚まさないとクライン・レビン症候群の人は帰って来れないのだった。


【サルタ・ドリーム】は改良され、今では多くの人が【夢】から解き放されている。

数は相変わらず減る事はないが、増える事もなかった。


そして、私はある【夢】の中に入った。この【サルタ・ドリーム】は生涯私の記憶から消えないだろう。

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