4・目覚め
メチャクチャ短いです。
忙しくて…
意識を失ったと思ったら、今度は木造の部屋で目覚めた。
「眼帯が無い。」
オレの脳の処理速度を越えた右眼は瞑るか隠さないと脳の負担で意識を失ってしまう。
「なぁ。」
看病してくれていたのか、ワイバーンから助けた少女が傍らで眠っているので揺すってみる。
「キャッ!」
「うわっ!」
驚かれた事に驚いて声を上げてしまった。
「え〜と...ゴメン?」
「あっ!こちらこそ。わたし寝ちゃったんだ。」
明るい金色の髪を後ろで束ねてポニーテールにしている。
深い緑色のローブを着ていて身体のラインが肉眼では見えない。
だがオレの右眼はスリーサイズをも見抜く。
...はっきりとは言わないが、凹凸が少ないとだけ言っておく。
「眼帯知らないか?」
「おじいちゃんが持ってる。」
「無いと困るんだが...」
「じゃあ、取りに行こうよ。」
少女に連れられて部屋を出る。
「君は?」
「わたしはミリア。ミリア・フォールスター。あなたは?」
「レン?」
「何で疑問形?」
「レンだ。」
「ファミリーネームは?」
「忘れた。」
オレは苗字を覚えていない。
小学生の時に組織に入ってそれから使わなくなった。
異世界から来た事を言うべきだろうか。
その必要は無いだろう。
長い付き合いになる訳でも無いし、頭がおかしいと思われても困る。
「もしかして、記憶喪失?」
...何故そうなる?
だがそれはいいアイディアだ。
「何か記憶が混乱してて」
「大変!おじいちゃんに会った後お医者さん行きましょう。」
---記憶喪失を装わなければならなくなった。