1・確か死んだはず!?
オレは森の中で寝ていた。
…え?
オレ死んだよね?
さっき。死んだよ?
なんで森で寝てるの?
異世界トリップ?
それなら足元に魔方陣がバァーってなって、王女様がいて、勇者サマーとか。
死んだと思ったら、幼女にしか見えない神様がいてチートを貰うとか。
とにかく、もっとあるだろ。状況説明が。
「ここどこだ?」
全然知らねー場所だ。
「マジで異世界だったり…?ナイナイ…」
見たこと無い植物ばっかり…
「いや…世界は広いなー。」
世の中にはまだまだ発見されて無い植物がたくさんあるんだな。
背の高い木がたくさん生えていてその濃い緑色の葉の間から日の光が漏れている。
「太陽があるのはわかった。」
太陽があるならここは地球のはずだ。…
…いや…太陽があるからって地球かどうかわかん無いよな…
「登ってみるか?」
手近な木に登ってみる。
そしてオレは気付いた。
ここは異世界だと…
『グガァァァー』
「何だ、あれは?」
遠くに巨大な生き物が見えた。
あれはドラゴン?
ワイバーンてやつか?
流石にあんなもの、地球には居ない。
ここはなかなか危険な世界のようだ。
人間居るのか?
絶滅してたりして?
とりあえず、武器作ろう。
今のオレの服装は旅人の服みたいになってる。
元の世界で死ぬ前は銃で撃たれまくって穴だらけだったけど、怪我は治って服は新しいのになっていた。
眼帯もあった。
木の枝を折って武器にする。
えっ?それでいいのかって?
いいのいいの。
だってしょうが無いだろ。
何も無いんだよ、他に。
『キャァァァー』
どこからか悲鳴が聞こえた。
良かった人間は居るみたいだ。
助けてやるか?
村とかに連れてってもらおう。
sideミリア
わたしはミリア。
冒険者をしています。
ランクはC。一人前でDだからわたしはそれ以上なのです。
並のモンスターなら余裕で倒せるのですが。
並なら…
「なんでワイバーンがこんな所にいるの?」
ワイバーンはBランク冒険者がパーティーを組んで倒せるかどうかの上級モンスター。
こんな森にいるはず無いのに。
わたしはこの森に護衛として来たの。
急いで隣の街に行かなきゃいけない商人が森を通るための護衛を依頼してきたから護衛したの。
この森は普段、F〜Eランクのモンスターしか生息していないから1人で余裕だと思って受注してしまった。
モンスターのランクについて説明すると、
Fランクの冒険者が複数人で倒せるのがランクFのモンスター。
Eランクの冒険者が複数人で倒せるのがEランクモンスター。
そして自分と同ランクのモンスターが1人で倒せるぐらいになれば昇格出来ます。
ワイバーンはBランクだからわたしじゃ相手にならない。
でも護衛の依頼なのだから、最低限、依頼主は守って見せる。
「荷物を狙ってるのだと思います。捨てられないんですか?」
走りながら依頼主に聞いてみるが
「無理ですょ〜クビにされます〜」
「ワイバーンに喰われますよ。」
「護衛して下さいよ〜」
無理を言ってくれるね。
「あなたは逃げて。わたしが足止めしますから。」
「はいっ」
正直、キツイけどやるしかない。
走るのをやめてワイバーンに向き合い杖を抜く。
「燃やせっ!ファイアーボール!」
火の球を打ち出しワイバーンの注意を引き依頼主を逃がす。
[ギャオォォー]
注意は引いたけど怒らせてしまった。空を飛んで着いて来ていたワイバーンは木をなぎ倒しながら降り立つ。
「炎よ。渦巻け!吹き荒れろ!ファイアーストーム」
わたしが使える中で最強の魔法。
少しは効くと思った。
[GYAOOooo]
だけどワイバーンは周囲の木を一瞬で灰にする炎の嵐を前足に付いた翼で消し飛ばし弱者を失神させる程のプレッシャーを放ちながらわたしを見下ろしていた。
下級とはいえ竜なのだ。
「キャァァァー!」
わたしは気付くと悲鳴をあげてしまっていた。
自分が冒険者であることも忘れ、奇跡を願った。
そんなわたしを食い殺そうとワイバーンは近づいて来る。
体長8メートル以上の竜に殺される事を諦めかけた時近づいて来ていたワイバーンの右目に木の枝が刺さった。えっ?
「わー。でっかいトカゲだなー!」
嬉しそうな顔をしたイケメンがそこにいた。
右目に眼帯をしている。
カッコイイ+カワイイ
ドウシヨウ。
可愛い服着て来るんだった。じゃなくて
「逃げて!」
右目を潰されたワイバーンは完全に怒っていて既に潰そうと長い尻尾を振り上げていた。
眼帯イケメン君は…あれ?
消えた?