プロローグ2
まだプロローグです。
白く統一された巨大な地下施設の端の武器庫に2人の諜報員の姿があった。
「作戦を確認するぞ。」
三十代前半の男が十代の少年に声を掛けると少年は面倒だ、という顔をしながら頷く。
「まずはミサイル貯蔵庫に向かう。ここからミサイル貯蔵庫に行くには高速エレベーターに乗る必要がある。それには…」
真面目な男は少年に作戦を説明するが…
「やっぱり説明要りません」
少年は右眼を覆う眼帯をいじりながら欠伸をしたりする。
「国の命運をかけた戦いなんだぞ」
「じゃあ、急ぎましょう、隊長」
まったく、と言いながら男は走り出す。
それと同時に基地の警報が鳴り始める。
『第二から第三部隊はB1フロアに向かえ。 火災報知機が作動した。現状を確認せよ』
通常、火災の確認は基地のシステムで行われるがテロリスト達はハッキング対策でシステムの大半を停止している。
時限式発火装置で報知器を作動させ、戦力を分断する作戦なのだ。
「 二部隊か?予想より多いな。」
「成功ッスね!隊長!」
喋りながら一般人の倍の速度で白い廊下を走る。
凄まじい速度だが足音はたっていない。
高速エレベーターに近づいて来ると見張りが出てくる。
2人は一度止まり目で合図すると飛び出してハンドガンやナイフで一瞬で2人づつ殺す。
驚いた他の見張り六人が慌ててアサルトライフルを乱射する。
2人は殺した見張りを盾にして身を守る。
隊長は少年に目で合図をすると少年は眼帯を外し金色の眼を晒す。
黒髪黒目の民族に有り得ない、光ってすら見える眼。
少年は跳躍し見張り達の中に飛び込みナイフ
で喉を狙う。
驚きつつ、見張り達はハンドガンを抜き、発砲する。
だが少年は見えているかのような動きで身体を捻り六丁の銃から放たれる弾を全て避け、1人にナイフを突き刺す。
血のついたナイフを投げ更に1人殺す。
刺殺した相手の腰のナイフを投げる。
そして再び跳躍。ハンドガンで残り三人を片付ける。
「隊長。終わりました。」
少年は眼帯をしながら報告する。
「相変わらず凄いな、その眼は。」
「なかなか疲れるんですよね。これ使うと」
少年はナイフを拾い、さっさとエレベーターに乗る。
男が慌てて乗り込みエレベーターは動き出す。