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少年と天使  作者: narrow
31/31

続き 5

    ◆

 「スズキさん、あんた、カンケーないこと考えてるだろ。」

 「え?いや?ぁは、反省してるよ?あはは」

 不自然な返しは、認めているのとほとんど変わらない。

 「何考えてたんだ?人が真剣に怒ってるときに。一体何考えてたんだ、言ってみろ!」

 「なんでもない、なんでもないよー!」

 必死で隠そうとするのを見て、アキヤも興味をしめす。

 「何だよ、エロい事か?」

 アキヤの軽ーい一言で、堀の表情は一段と恐ろしいものに変わった。

 「何だとぉ?」

 「ちがっ違うよ、ただ、幸せだなって・・・」

 これ以上怒らせたくなくて、つい本当の事を白状した。

 その結果。

 意表をつかれた顔で一瞬凍りついた後、堀は叫んだ。

 「フザケルナー!」

 そうして、より一層激しいお説教が始まるのだった。

 うらめしそうな目で自分を見るアキヤに、スズキは表情だけで、ゴメンねと伝えた。

 アキヤは、タメイキをつくと、目を閉じ、お説教に耐える構えを見せた。

 蒼子は、堀の説教よりも、そんな二人を観察することに気をとられていた。

 その間も堀は、めちゃくちゃに怒っている。

 たしかに怒るよね、とスズキも思う。

 説教されて幸せなんて、相手をバカにしているとしか思えないだろう。

 でも、本当のこと。

 スズキはあらためて、この日常をいとおしく思う。

 今は怒られてたって、堀くんはいつも、怒るだけ怒ると、ちゃんと許してくれる。

 いつものこと、いつもどおり。

 いつもの通り、みんながいて、

 いつもの通り、堀くんが怒ってて、

 いつもの通り、僕はアキヤのそばにいる。

 すごく、ふつうのことだ。

 でも、それが幸せ。

 この前まで、僕はキューピッドになりたい、そう思っていた。

 誰かが誰かをスキになるって、すごくステキなことだし、僕自身、届かない想いのつらさを知っているから。

 実らない恋の悲劇を、知っているから。

 でも、その考えは変わった。

 スキってキモチだけじゃない。

 みんなのいる、この日常が大切なんだ。

 幸せだって思える日々も、誰かを愛せる心も、全部ぜんぶ守ってあげたい。

 それは、身の程知らずな願いかもしれない。

 だって、僕は弱い。

 アキヤが来てくれなかったら、あの日、僕はきっとこの世界から消えてしまったことだろう。

 でも、僕には今がある。

 きっと、明日もある。

 だから、その願いに向かって歩き出せる。

 それがどんなに遠くても、本当は叶わないとしても、近づいて、手を伸ばして、いつか届くと信じることができる。

 それは、きみたちがいてくれるから。

 僕は、がんばり続ける。

 僕にとって、大切なものがある限り。

 守りたいと思える、日常がある限り。

 

 大切なひとたちが、みんながいる限り。

完読おつかれさまでしたっ!

    &

ありがとうございました!

    &

クサくてすんません(笑)

恥ずかしがりのカッコつけが書いてます…。


次は使い魔日記の続編、居候日記が始まります。

普通にスズキも出てきます…。

よかったら読んでやって下さい。

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